研究課題/領域番号 |
21H04758
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
稲葉 謙次 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10423039)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
42,380千円 (直接経費: 32,600千円、間接経費: 9,780千円)
2023年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2022年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2021年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
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キーワード | タンパク質品質管理 / クライオ電子顕微鏡 / 亜鉛 / 膜トランスポーター / 分子シャペロン / 細胞イメージング / ケミカルバイオロジー / 超解像顕微鏡 / 蛋白質品質管理 / クライオ電顕 / ゴルジ体 |
研究開始時の研究の概要 |
この20年以上もの間に小胞体品質管理に関する研究は大きく発展した一方で、ゴルジ体をも含む広範囲のタンパク質品質管理機構の研究は現在もなお開拓途上である。我々は最近、亜鉛イオンによる小胞体―ゴルジ体を舞台とした全く新しいタンパク質品質管理機構を発見した。本研究では、構造生化学、細胞生物学、ケミカルバイオロジー、プロテオミクスの技術を駆使することにより、この新しいタンパク質品質管理システムの分子機構と生理機能を究明する。これにより、細胞の亜鉛恒常性維持とタンパク質恒常性維持機構の相関を明らかにし、細胞のタンパク質品質管理機構に関する多くの新しい概念を提唱する。
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研究成果の概要 |
ゴルジ体における亜鉛恒常性維持機構とタンパク質恒常性維持機構の相関について、分子構造レベルおよび細胞レベルの研究により理解が大きく深まった。具体的には、ゴルジ体に存在する亜鉛輸送体ZnT7, ZnT5/6, ZnT4のゴルジ体の亜鉛濃度制御における役割が明らかとなり、また初期分泌経路に存在する分子シャペロンERp44による亜鉛依存的な未成熟タンパク質の品質管理機構の詳細を解明した。さらにcis-Golgi槽においてERp44に亜鉛を供給する亜鉛輸送体がZnT7であることを突き止めるとともに、ZnT7の五つの中間状態についてクライオ電顕構造を解き、ZnT7による亜鉛輸送機構の全容を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞におけるタンパク質品質管理機構は我々の生命活動において必須である。我々の研究により、亜鉛イオンが細胞小器官である小胞体やゴルジ体における正常なタンパク質の生合成や異常タンパク質の分泌抑制に必須であることを明らかにした。これにより、亜鉛イオンの新たな生理機構の発見にもつながった。このシステムの破綻が細胞ストレス、ひいては種々の疾患や成長遅延につながることが報告されており、本研究成果は、基礎細胞生物学のみならず医学的にも意義深いものである。
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