研究課題/領域番号 |
21H04845
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
辻 一郎 東北大学, 医学系研究科, 客員教授 (20171994)
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研究分担者 |
菅原 由美 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20747456)
萩原 嘉廣 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (90436139)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
41,990千円 (直接経費: 32,300千円、間接経費: 9,690千円)
2023年度: 15,080千円 (直接経費: 11,600千円、間接経費: 3,480千円)
2022年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2021年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | 東日本大震災 / コホート研究 / 災害疫学 / メンタルヘルス / 社会疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
宮城県の東日本大震災被災者約5千名を対象に、震災被害からの復興状況(居住の種類、職業・収入の状況など)、心身の健康状況(アテネ不眠尺度、ケスラー心理的苦痛尺度(K6)、主観的健康度、疼痛・整形外科疾患など)に関する郵送調査を年1回ずつ実施する。 これにより、(1)復興状況の格差が心身の健康レベルの推移に及ぼす影響、(2)心理社会的要因が疼痛・整形外科疾患の発生に及ぼす影響、(3)被災者のこころの復興と関連する地域社会(絆)の要因、(4)不眠・抑うつ不安が要介護や死亡のリスクに及ぼす影響のメカニズムなどを解明する。研究結果をもとに、被災者支援策のあり方を提言する。
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研究成果の概要 |
石巻市沿岸部と仙台市若林区における東日本大震災被災者を対象に、被災者健康調査を実施し、震災11-13年目の被災地域住民の健康状態や生活環境の推移などを把握した。 その結果、睡眠障害が疑われる者(アテネ不眠尺度6点以上)や心理的苦痛が疑われる者(K6スコア10点以上)の割合は、全国平均より高かった。これらの割合は、自宅居住者より災害公営住宅の入居者で高かった。居住環境によって復興状況や心理的状況に格差が生じていることが示唆された。 さらに、被災者健康調査のデータから個人情報を削除したデータベースを構築し、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターに寄託した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大規模自然災害の被災者を対象に居住・経済状況や心身の健康状態などを10年以上にわたって追跡したコホート研究は、国内外でも稀なものであり、学術上貴重な研究資源である。本研究で得られた知見は、自然災害が発生した際の被災者支援を考える際のエビデンスになるという点で社会的意義も大きい。そこで、この貴重な学術資源を最大限活用できるように、個人情報を削除したデータベースを構築し、東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターに寄託した。これにより、本研究の学術的・社会的価値がさらに高まることが期待される。
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