研究課題/領域番号 |
21H04933
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
金谷 有剛 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), センター長 (60344305)
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研究分担者 |
竹田 一彦 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 教授 (00236465)
関谷 高志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 研究員 (00781460)
高島 久洋 福岡大学, 理学部, 准教授 (20469620)
竹谷 文一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 主任研究員 (50377785)
岩本 洋子 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 准教授 (60599645)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
41,730千円 (直接経費: 32,100千円、間接経費: 9,630千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2022年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2021年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | 大気海洋物質循環 / オゾン収支 / 大気組成変動 / 光化学反応 / 地球温暖化 / 国際連携 |
研究開始時の研究の概要 |
21世紀の大きな社会課題である「地球温暖化」を和らげるためには、その原因となる物質群の濃度変動の要因について、人間活動の影響と自然プロセスの影響を切り分け、正しく理解することが重要である。「対流圏オゾン」も重要物質の一つであるが、地球表面の7割を占める海上大気中での化学反応が十分理解できていない。水温が30℃近くに達する日本の南の海では「ヨウ素類」が効率よく揮発し、オゾンを消失させている証拠が徐々に集まっており、本研究では、そのメカニズムと影響度とを、船を使った先端的な観測とコンピューターモデルシミュレーションで解明する。また、世界の研究者らともデータを交換し、全球の統合レポートを作成する。
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研究実績の概要 |
大気中及び海水中のヨウ素類の計測を高度化するために、各種要素技術を開発した。イオンクロマトグラフィーにオートサンプラーを導入して自動化し、多数の試料が分析可能となった。IOラジカル計測のためのMAX-DOASでは、サブpptレベルの鉛直分布を最適に推定できるよう、初期濃度高度分布の設定等を評価した。大気ヨウ素粒子・ガス捕集のための2段式フィルターサンプラーを試作し、ICP-MSでの分析方法等について検討した。また、ボックスモデルおよび3次元大気化学輸送モデルでのシミュレーション結果を観測データと比較した。ヨウ素類の発生や化学反応を考慮しても、3次元モデルは低緯度域においてオゾン濃度を過大評価する傾向が残り、不均一反応を追加するなどの感度実験を通じた予備的な評価を開始した。海洋地球研究船「みらい」のMR21-03航海において、洋上大気中のオゾンとIO等の計測や、表層海水の採水と試験的な状態別ヨウ素化学分析を行い、海面水温・クロロフィルなどの情報を加え、これまでのデータと合わせて時空間変動とその要因を解析した。南北半球の広い緯度範囲にわたる大気IO濃度分布が海面水温と対応すること、IOとオゾン濃度の逆相関が低濃度オゾンの範囲まで観測される点から、オゾン濃度に依存しないヨウ素揮発過程が想定以上に重要である可能性を指摘する論文を発表した。対流圏オゾンアセスメントレポート第2期(TOAR-II)でのOceansワーキンググループの活動として、全球的評価の視点で「みらい」などの船舶や航空機によって計測された海上の大気オゾンデータを世界的に収集開始し、ハロゲン化学がオゾンに与える影響を世界の複数モデルで評価してゆくための道筋を定期的にオンライン会合を持ち議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計測技術の改良、航海観測、モデルの高度化が想定どおり進展したため。サンプラーの構築についても、繰越の範囲で目的を達するものを製作することができた。
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今後の研究の推進方策 |
大気・海洋観測データの交換と学際的なデータ解析、観測とモデルの連携、国際連携などについて、これまで以上に推進してゆく。
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