研究課題/領域番号 |
21H04994
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
大区分B
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 篤史 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (50314290)
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研究分担者 |
藤野 修 京都大学, 理学研究科, 教授 (60324711)
入谷 寛 京都大学, 理学研究科, 教授 (20448400)
小西 由紀子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (30505649)
安田 健彦 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (30507166)
大川 新之介 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (60646909)
岩木 耕平 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (00750598)
神田 遼 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50748324)
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研究期間 (年度) |
2021-07-05 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
112,710千円 (直接経費: 86,700千円、間接経費: 26,010千円)
2024年度: 24,830千円 (直接経費: 19,100千円、間接経費: 5,730千円)
2023年度: 24,830千円 (直接経費: 19,100千円、間接経費: 5,730千円)
2022年度: 24,830千円 (直接経費: 19,100千円、間接経費: 5,730千円)
2021年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
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キーワード | 幾何学 / 代数学 / 数理物理学 / ミラー対称性 / 双有理幾何学 |
研究開始時の研究の概要 |
ミラー対称性という,代数学と幾何学の役割を入れ替える対称性の存在が知られている.ミラー対称性は多くの重要な着想・予想を与え,幅広い数学を単に関連させるだけでなく,新たな知見を与え既存の数学を深めるため極めて重要である.本研究で,ミラー対称性の一層の理解と古典的重要問題に対する大きな貢献をもたらし,新たな数学を拓いてゆく. 日本の得意分野である代数幾何学や日本で独自進化を遂げた周期の理論を中心課題に,独創的で優れた研究を日本から世界へ発信する. 国際研究集会の開催や特任教員・研究員の雇用で当該研究分野の活性化および将来的・持続的発展を促し,ミラー対称性を核とした国際研究拠点の形成を目指す.
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研究実績の概要 |
代表者高橋は群作用付き斉次孤立超曲面特異点に対する整数構造に関するミラー対称性の研究や,一般ルート系およびHurwitz空間のFrobenius構造の研究を行った. 分担者藤野は極小モデル理論の解析化についての研究を行った.複素解析空間の間の射影射についても極小モデル理論の基本的な枠組みが成立することを証明,成果を複数の論文にまとめて公開した.分担者入谷は量子コホモロジーD加群の分解についての研究を行った.協力者厚東氏と射影束に対するミラー定理を証明し,射影束の量子コホモロジーD加群が底空間の量子コホモロジーD加群の直和に分解することを示した.分担者小西は複素鏡映群の軌道空間上の平坦構造の研究を行い,コクセター元の固有分解に基づく平坦座標系の佐竹による特徴付けを複素鏡映群に一般化した.分担者安田健彦は、Carvajal-Rojas氏と共同で弦モチーフを正標数や混合標数の特異点の研究に応用し,2次元対数的端末特異点の局所エタール基本群の有限性を証明した.分担者大川は協力者石井亮氏・上原北斗氏とともに弱del Pezzo曲面上の例外対象列に関する予想を提唱し,最も基本的な場合である次数2のHirzebruch曲面の場合に完全な証明を与えた.分担者岩木耕平は完全WKB解析と位相的漸化式およびパンルヴェ方程式に関する研究を行った. とくに,楕円曲線の周期とアイゼンシュタイン級数によりパンルヴェ方程式のタウ函数の漸近展開を記述した.分担者神田はAlex Chirvasitu氏とS. Paul Smith氏と共同で,Feigin-Odesskii楕円代数のモジュラー性に関する研究を行い,2次特殊線形群の元が楕円代数間の同型写像を誘導することを明らかにした. ミラー対称性と双有理幾何学に関する国際研究集会等を開催し,最新の研究成果についての講演をもとに,参加者と活発な研究交流を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者・分担者のいずれも順調に個別・共同研究を進めることができており,研究成果を取りまとめて発表することができている.また,雇用した特任教員・研究員についても同様である.開催した国際研究集会や勉強会・セミナー等も非常に充実した内容であり,活発な研究交流がなされ,当該分野の進展に大きく貢献するものとなっている.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は順調に進捗しているので,現在の体制・方法を維持する.新型コロナウイルス感染症からの回復期にあり,国際研究集会での研究発表や,シード期にある研究を発展させるための国際共同研究を一層積極的に再開させてゆく.エクスパンション期・レーター期にあ る研究ステージもそれぞれ成長させることで,研究を推進させる.
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評価記号 |
中間評価所見 (区分)
A: 研究領域の設定目的に照らして、期待どおりの進展が認められる
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