研究課題/領域番号 |
21K00207
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
|
研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
相原 健作 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 専門研究員 (50376894)
|
研究分担者 |
原田 一敏 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 教授 (20141989)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 文化財 / 金属工芸 / 技術 / 金 / 接合 / 刀 / 刀装金具 / 銅 / 彫金 / 象嵌 / 色金 / 鍛金 / 非破壊分析 / 刀装金物 |
研究開始時の研究の概要 |
金属工芸では、水銀は銅合金の表面を金色にする着色材料(鍍金)として認知されているが、接合材料としては全くわかっていない。金属同士の接合に、水銀がどのように関わったのか検討し、複数の資料調査、文献調査、復元実験及び高感度非破壊型分析装置を活用した科学分析から検討し、水銀の役割と接合材としての適性を明らかにする。そして、継承されなかった水銀を用いた接合方法を解明する。
|
研究実績の概要 |
アマルガム鍍金の技術熟練者からの聞き取り調査などを参考にし、加熱する温度、金アマルガムを金属に塗布してから加熱するまでの時間などを変えて、銅同士の接合実験を実施し、ボールシェアテストにて接合強度の評価をおこなった。接合試料は厚み1.2㎜、10×10㎜の銅板の基盤と、厚み1.5㎜、3×3㎜の銅板とした。接合面に硝酸水銀を塗った後に、金アマルガムを塗布し、熱源はガスバーナーとした。接合温度に関しては、アマルガム鍍金接合を実施するブース内での温度計測が困難であり、研究代表者の感覚的なものとする。 その結果、〇加熱する温度は着色技法としてのアマルガム鍍金をおこなう温度より低温で加熱することが有効であった。〇金アマルガムを塗布してから接合(加熱)するまでの時間は、塗布した直後より時間をあけた方が有効であった。これは、接合する銅に対して、塗布した金アマルガムがより拡散されたために、接合強度が高くなったと推測する。〇加熱により水銀が気化するので、逆ピンセットで固定したことが有効であった。接合部位に加圧を付与出来たことが接合強度を高めたと推測する。ボールシェアテストでは、50Nを超える接合強度を計測し、アマルガム鍍金での接合が可能であったことを実証出来た。 昨年、X線CTにより明らかになった角棒の端部の断面に四等分の切れ込みを入れたリベット留めの再現実験を実施した。今までのリベット接合よりも、少ない力で簡便に接合することが出来た。美観も損なわれず、精緻な造形の接合にはとても有効である。この技法は、文化財の修理に応用出来るものと考える。
|