研究課題/領域番号 |
21K00680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
長井 克己 香川大学, 大学教育基盤センター, 教授 (20332059)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 音素単位 / イギリス英語 / 発音練習 / 語彙習得 / 音素認識 / 破裂子音 / 音声学習 / 英語音素 / 外国語音声 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は例えば英単語hotの認識が,各音素(/h, o, t/)の知覚だけで行われるのではなく,その語が単音節であること,3つの異なる音が含まれること,potと韻を踏むこと等が,重畳的に役割を果たしていると仮定する。その上で日英語両言語で使われない音素を含んだ無意味語及び人工文を作成し,実験参加者に(1)音素単位(2)音節単位(3)語及び文単位で知覚実験を行う。具体的には(a)プレテストで聞き分けの成績を比較,(b)PCを用いた学習セッション(聞こえてくる音を2択で強制選択),(c)ポストテストで学習語の成績を比較,というデザインで研究を進める予定である。
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研究成果の概要 |
言語は音声が本体であり,その学習は音声によって行われるのが自然であるから,小学校における外国語活動が,音声に親しむことを第一の目標として導入されたのは,合理的なことであった。しかし実際の外国語学習は,調音と知覚の両方で最小となる音素単位で行う方が望ましいのか,あるいはより大きな単位である音節単位での学習が良い結果を生むのか,具体的なデータに乏しかった。本研究では破裂子音のみがミニマルペアとなる語と,後続母音と共に音節単位でミニマルペアとなる語を提示して記憶する学習実験を行い,その成績を比較した。結果は音節単位の方が良好であり,いわゆる音素認識に過度にこだわる必要が無いことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
英語の文字と発音との関係は複雑で,体系的な指導は簡単ではない。一方日本語の文字と発音は音節単位であるカナ文字の大きな影響を受ける。これらの理由から,日本語を母語とする英語学習者の記憶再生成績を,音素単位と音節単位の両方で行い,どちらが効率的であるのかを明らかにすることは英語教育法の基礎データとして重要である。実験では新規な音素と新規な音節を学習することが必要だが,小学校から英語を学ぶ日本語話者に,日英両言語に存在しない音素を提示するのはこれまで困難であった。本研究はこれを破裂子音の新カテゴリで克服し,一定の成果を上げた点で学術的社会的に有意義なものであると考えられる。
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