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コミュニティ・アクションの誕生 民衆的アーカイヴによる戦後福祉国家史の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K00934
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
研究機関北海道大学

研究代表者

長谷川 貴彦  北海道大学, 文学研究院, 教授 (70291226)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードサッチャリズム / 1970年代 / 民衆的個人主義 / エゴドキュメント / コミュニティ・アクション / インナーシティ / 福祉国家 / コミュニティ / エゴ・ドキュメント / 社会運動
研究開始時の研究の概要

本研究は、「民衆的個人主義」をキー概念にして、インナーシティ問題を背景として登場してくるコミュニティ・アクション(地域社会事業)を対象として1970年代イギリスの福祉国家の再編過程における社会意識(主観性)の変容を、オーラルヒストリーやエゴ・ドキュメント研究の成果による史料としての民衆的アーカイヴを駆使しながら、明らかにしようとするものである。本研究では、コミュニティ・アクションによる住宅問題への取り組みとして、公営住宅をめぐる賃貸人の運動 (tenants’ movement)、またホームレス対策のなかでの「家屋占拠運動」(squatting)について取り上げることにしたい。

研究成果の概要

本研究は、インナーシティ問題を背景として登場してくるコミュニティ・アクションを対象に、戦後イギリス史の分水嶺を形成する1970年代の状況を「下から」のアプローチによって解明しようとするものである。戦後史の研究は、同時代の資料公開が進むなかで本格的な歴史研究が試みられるようになっているが、コミュニティ・アクションは戦後福祉国家史の転換点となるとともに、1970年代の転形期のアモルファスな社会意識を集約したものであり、それをオーラルヒストリーやエゴ・ドキュメントなどの民衆的アーカイヴを活用することにより明らかにした。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では、コミュニティ・アクションの活動家のオーラルヒストリーとエゴドキュメントを用いてロンドン・ノッティングヒル地域での運動の展開を史料的にあとづけた。第一段階は1960~1970年代初頭の「抵抗型」の運動で、第二段階は1975年~1980年代にいたるもので、「提案型」の運動が展開された。後者の時期には、初期の運動の成果として開発計画が頓挫したあとに、政策の「真空地帯」が創出され、そこにコミュニティ・アクションの側が計画の構想と立案をおこなっていった。新自由主義下の地域活動として称揚されることもあるコミュニティ・アクションであるが、それが抱える課題に対しても歴史的展望を与えることができた。

報告書

(4件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] 感情史のかたち2023

    • 著者名/発表者名
      長谷川 貴彦
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 51 (15),

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] グローバル・イーストの歴史学に向けて : 高橋幸八郎のエゴ・ヒストリー2023

    • 著者名/発表者名
      長谷川 貴彦
    • 雑誌名

      歴史と経済

      巻: 66 (1),

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 現代イギリス史への視座「書評:小関隆著 『イギリス1960年代 ビートルズからサッチャーへ』(中公新書、2021年)を読み解く」2023

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴彦
    • 雑誌名

      月刊東京

      巻: 440 ページ: 46-53

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 貧困と福祉の歴史学 イングランドの歴史的経験から2022

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴彦
    • 雑誌名

      『ジェンダー史学』

      巻: 18 ページ: 5-16

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 歴史学とポストモダン2021

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴彦
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 43(7)

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 資本主義論の現在:コメント現代歴史学の観点から2023

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴彦
    • 学会等名
      政治経済学・経済史学会 春季学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 「趣旨説明」「サッチャリズムの歴史的前提:民衆的アーカイヴによる1970年代の再検討」2022

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴彦
    • 学会等名
      日本西洋史学会第72回大会(東洋大学)小シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 「貧困」と「福祉」の歴史学 イギリス近現代史の経験から2021

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴彦
    • 学会等名
      ジェンダー史学会第18回年次大会シンポジウム「貧困とジェンダー 「公助」の役割を問う」
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 『「歴史総合」をつむぐ:新しい歴史実践へのいざない 』(担当:産業革命はなぜ「革命」と呼ばれるのか)2022

    • 著者名/発表者名
      歴史学研究会編、長谷川貴彦
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      東京大学出版会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 「生きること」の問い方 歴史の現場から2022

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴彦・大門正克編
    • 出版者
      日本経済評論社
    • ISBN
      9784818825956
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 縮小社会における法的空間 ケアと包摂 (担当:共著, 範囲:第14章「コミュニティ・アクションの誕生―1970年代の危機と福祉国家2022

    • 著者名/発表者名
      角松生史・長谷川貴彦ほか
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      9784535526167
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] Western Historiography in Asia Circulation, Critique and Comparison2022

    • 著者名/発表者名
      Q. Edward Wang , Okamoto Michihiro , Li Longguo, Hasegawa Takahiko
    • 総ページ数
      657
    • 出版者
      De Gruyter Oldenbourg
    • ISBN
      9783110717341
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 世界史の考え方2022

    • 著者名/発表者名
      成田龍一・小川幸司編、長谷川貴彦他著
    • 総ページ数
      363
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784004319177
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 『岩波講座 世界歴史』第1巻「世界史とは何か」(「現代歴史学と世界史認識」)2021

    • 著者名/発表者名
      長谷川貴彦
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000114110
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2025-01-30  

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