研究課題/領域番号 |
21K00955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
光本 順 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (30325071)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 弥生時代 / 吉備 / 形象遺物 / 家形土器 / 鳥形土器 / 三次元計測 / 蛍光X線分析 / 弥生墳丘墓 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、弥生時代後期の形象遺物群(家、鳥、人、龍)を主たる対象とする。伝統的な考古学分析法である型式学的分析と同時に、SfM多視点写真測量やハンドヘルドの非破壊蛍光X線装置を併せて用いる、新たな形象遺物群の研究法を確立する。これまで体系的分析が難しかった形象遺物群に対し、本研究の手法により見直すことで、吉備中枢部の弥生墳丘墓文化の特質に迫る。そして、形象遺物群と初期形象埴輪との比較を通じ、古墳成立の道筋を新たな視角から明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
本研究二年目となる2022年度は、形象遺物群の集成作業とともに、岡山県および隣接の鳥取県で出土した弥生時代後期の家形土器ならびに岡山市雲山鳥打1号墳丘墓出土の鳥形土器を中心とする、三次元計測と非破壊のハンドヘルド蛍光X線装置によるデータ取得等を行った。 家形土器: 正式な遺跡報告書が未刊行である雲山鳥打1号墳丘墓出土の家形土器について、破片の整理・研究および三次元計測の作業を進めた。これにより、複数存在する個体の分類と、破片資料の復元案に関する見通しを得た。また、従来から倉敷市女男岩遺跡出土資料との関連が知られていた鳥取県立博物館所蔵の鳥取県湯梨浜町藤津出土家形土器を実見・観察した。そしてその三次元計測とハンドヘルド蛍光X線装置によるデータ取得を行い、データの基礎的処理ならびに分析を進めた。これにより、岡山県内出土資料との比較研究を行う上での重要な知見を得た。資料集成については、弥生時代後期の家形土器に関する報告書等を収集し、今後の資料調査計画を立案した。 鳥形土器: 未報告である雲山鳥打1号墳丘墓から複数個体出土している鳥形土器の三次元計測を進めた。特に、全体形がほぼ復元可能な資料に関し、Agisoft Metashape Professionalを使用し、本体部分と小破片をデータ上で接合するデジタル接合を実施した。 成果発表: 雲山鳥打1号墳丘墓をはじめとする岡山県南部の形象遺物群に関する三次元計測および整理・研究の成果について、考古学研究会第69回総会・研究集会(於: 岡山大学)でポスター発表を行った。発表を通じ、今後の研究の方針について有益な示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
未報告資料である岡山市雲山鳥打墳丘墓群出土の形象遺物群に関し、その整理・研究と三次元データ化等が進展したため。また同時期の類例となる他地域の家形土器との比較検討も進展したため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2023年度は、弥生時代後期の岡山県内の形象遺物群と関連する可能性がある、他地域の資料を中心に資料調査を行い、三次元化に必要な写真撮影とハンドヘルド蛍光X線装置によるデータ取得を行う。また、そのデータ処理と分析を進める。最終的に、形象遺物群の歴史的意義に関する考察を実施する。
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