研究課題/領域番号 |
21K00978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
豊島 直博 奈良大学, 文学部, 教授 (90304287)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 装飾付大刀 / 古墳時代 / 圭頭大刀 / 円頭大刀 / 上宮王家 / 氏族制 / 鉄製武器 / 獅噛環頭大刀 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、古墳時代の装飾付大刀と氏族制の関わりを解明し、日本の古代国家形成過程を考察することが目的である。装飾付大刀には様々な形式があるが、本研究では①圭頭大刀、②円頭大刀、③獅噛環頭大刀をおもな研究対象とする。 まず、発掘調査報告書等を用いて資料を集成する。つぎに、資料を保管する機関に赴いて実測と写真撮影を行う。こうして新たな装飾付大刀の分類と編年を構築し、出土文字資料等を手がかりに氏族制との関連を考察する。
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研究成果の概要 |
金や銀で飾られた装飾付大刀は、古墳時代の生産と流通、軍事や政治体制を復元するのに有効な遺物である。本研究では、装飾付大刀のうち、圭頭大刀と円頭大刀を中心に研究を進めた。まず発掘調査報告書で遺存状態の良好な資料を抽出し、資料を保管する機関に赴いて実測図の作成と写真撮影を行った。つぎに、大刀の分類と編年を再構築し、時期別の分布図を作成し、生産と流通の復元を行った。さらに、朝鮮半島の出土例と比較し、圭頭大刀と円頭大刀の系譜、国産化の開始時期、生産主体について考察した。 圭頭大刀は百済に系譜をもち、6世紀後葉から7世紀中頃まで生産される。その生産と配布は上宮王家の活動を反映すると結論づけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、圭頭大刀と円頭大刀の実測図作成と写真撮影を広く行い、現時点での詳細な情報を記録することができた。古墳から出土する装飾付大刀は脆弱で、未修理の遺物も多く、詳細な観察記録は今後の保存と修理に欠かせない情報である。 本研究によって、新たな圭頭大刀の分類と編年を構築できた。本研究では圭頭大刀の製作技法に着目した分類を展開しており、同様な視点は他の装飾付大刀の検討にも有効であると考えられる。また、圭頭大刀の生産と流通に上宮王家が関与することを論証した。圭頭大刀を副葬する古墳には冠や馬具も副葬されている。今後、それらの遺物からも氏族制との関わりが指摘できると期待される。
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