研究課題/領域番号 |
21K00997
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
大傍 正規 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (40580452)
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研究分担者 |
大関 勝久 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任教授 (00774952)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 映画保存 / デジタル色再現 / 主成分分析(PCA) / カラー映画フィルム / 分光スペクトル / 主成分分析 / デジタル映画 / スペクトル分析 / 色再現 / デジタル映写環境 / 褪色補正 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、カラー映画フィルムの分光透過スペクトルに対して主成分分析を行うことにより、当該フィルムの色彩の分光特性を把握した上で、その測色値と等しいスペクトルをデジタル映写環境において忠実に再現することを第一の目的とする。また、褪色の進行したカラー映画フィルムのスキャンデータに対して、映画完成時の色彩へと褪色補正を行う色再現の方法を確立することを第二の目的とする。最終的には、国立映画アーカイブが所蔵するカラー映画フィルムにこれらの色再現モデルを適用することで、真正性の高いデジタル復元を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究では、カラー映画フィルムの分光透過スペクトルに対して主成分分析を行うことにより、当該フィルムの色彩の分光特性を把握した上で、その測色値と等しいスペクトルをデジタル映写環境において忠実に再現する手法を確立した。その結果、カラーグレーダーによる官能評価に基づいたシーン毎のグレーディングを経ることなく、フィルム・ルックと等しいデジタル色再現を行うという当初の研究目的を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国立映画アーカイブが所蔵するカラー映画フィルム(白黒も含む)に本研究の成果を援用することで、映画コレクション全体を最適にデジタル化する道筋をつけることができた点において、大きな社会的意義を有する。その一方で、褪色したカラー映画の褪色補正に基づく色再現手法については、褪色色素による着色解析が必要であることが判明し、スペクトル分析に基づく原理確認のさらなる検討が不可欠であることが明らかになった。本件については、色再現手法の開発、その妥当性や信頼性の検証について今後の課題を把握するに留まった。
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