研究課題/領域番号 |
21K01108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀧川 裕英 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (50251434)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 権威 / 政治的権威 / 正統性 / 民主制 / 国家 / 株式会社 / 刑罰 / くじ / 移動の自由 / 国籍 / 植民地 / 契約主義 / 自粛 / マイノリティ / 政治的責務 / 政治権力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、政治的権威・正統性・統治権・政治的責務・政治権力といった基礎概念を明確化した上で、政治的権威の正統性条件を検討する。正統性概念の重要性が再認識されるようになっているにもかかわらず、議論状況は極めて錯綜しており、理論的な見通しが悪い状況が続いている。この状況を打開するために、自由で平等な人間関係を前提とした上で、権威の存在が自由や平等と矛盾せずむしろそれを促進しうるとするならば、権威はどのような条件を充足する必要があるか、という問いを設定し探究する。
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研究成果の概要 |
本研究は、自由で平等な社会において、政治的権威が正統性を持つための条件を検討した。その成果に基づいて、特に民主的決定の正統性条件を、手続の内在的価値に定位する手続主義と手続が産出する結果に定位する道具主義に区分した上で、検討した。 こうした理論的研究が、様々な実践的問題に対して含意を持つことも同時に示した。検討した実践的問題は、例えば、多数決はがくじ引きに優位しうるのなぜか、民主制が権威主義に優位しうるのか、株式会社における株主総会と経営者の権限分配をどうすべきか、国家が領域管轄権を持つ根拠は何か、植民地支配が不正であるのはなぜか、などである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自由で平等である社会において、いかにして権威的関係が正当化されうるのか。この基本的な問題に対して、先行研究を精査した上で、権威を得体の知れないものとしてではなく、可能な限り合理化するような解答を与えた。 この権威論に基づいて、民主的決定の正統性についても検討を行った。単なるくじ引きと比べて多数決による決定が優れているとすればそれはなぜかを検討することで、民主的決定の正統性は一定程度結果のよさに依拠していることを示した。さらに、権威主義と比べて民主制は優位しているといえるのか、経営者による判断と比べて株主総会での民主的決定は優位しているといえるかといった重要な実践的問題に対しても検討を行った。
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