研究課題/領域番号 |
21K01335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
高山 裕二 明治大学, 政治経済学部, 専任准教授 (90453969)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ボナパルティズム / 民主的専制 / ルイ=ナポレオン / 第2帝政 / リベラル連合 / ポピュリズム / ゴーリズム(ドゴール主義) / デモクラシー / 専制 / 民主主義 / 独裁 / ナポレオン3世 / 第二帝政 / サン=シモン主義 / 第2帝政 / リベラル(自由主義) / 共和派(共和主義) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、19世紀フランスに生まれる「ボナパルティズム」を再検討することで、民主主義国家の政治(執行)権力が専制化する過程とその構造、およびそれに対抗する勢力の論理を、思想史的かつ実証的に解明する。第1に、執行権力の優位を確立し経済成長を押し進めたルイ=ナポレオンの思想と行動(ボナパルティズム)を検討し、民主的専制の形成過程とその構造を実証的に明らかにする。第2に、専制に対抗した共和派の思想に着目し、恣意的権力に対抗する言説を分析する。第3に、19世紀末の経済(金融)危機の前後で再登場するボナパルティズムとその変種(ブーランジスム)の反経済自由主義的かつ人種主義的な専制の特徴も明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、19世紀フランスに生まれる「ボナパルティズム」を検討することで、民主主義国家の政治(執行)権力が専制化する過程とその構造、およびそれに対抗する勢力の論理を思想史的かつ実証的に解明した。具体的には、まずルイ=ナポレオンの思想と行動(ボナパルティズム)を検討し、民主的専制の形成過程とその構造を明らかにした。続いて、専制に対抗する選挙戦略の一環として形成された「リベラル連合」のなかでも共和派の思想に着目し、恣意的権力に対抗する言説を分析した。最後に、20世紀になってボナパルティズムの変種として登場したゴーリズム(ドゴール主義)の特質を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で政治概念として新たに創出された「ボナパルティズム」は、現代の民主的国家一般における恣意的権力の形成過程とその特徴を分析するのに役立つと考えられる。これまで政治学の分野では、それはたいてい民主的独裁と片付けられ、あくまでフランスに特殊な「権威主義的」体制として過小評価されてきた。しかし、本研究でそれを従来の「独裁」とは異なる「専制」として特徴づけ、より一般的な分析概念として提示した。そのことは、民主主義の危機がしばしば「ポピュリズム」と一括され、その内実が十分に検討されることのない今日では、学問的であると同時に社会的に意義が大きいと言える。
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