研究課題/領域番号 |
21K01398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松村 敏弘 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (70263324)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非利潤最大化行動 / 自主規制 / 企業の社会的責任 / 混合寡占 / 気候変動 / 環境政策 / common ownership / ECSR / 環境投資 / 市場構造 / Common Ownership / Green Transformation / 相対利潤 / 排出原単位規制 / Green Portfolio Standard / GX / 民営化 / 非利潤最大化目的関数 / 競争構造 / 相対利潤最大化 |
研究開始時の研究の概要 |
企業が社会的責任を考慮したり、ライバル企業のパフォーマンスを気にかけるなど、必ずしも利潤だけを最大化していない可能性を考慮する。企業の非利潤最大化行動が、市場の競争構造、研究開発や環境対策、製品構成などの様々な戦略的な意思決定に与える影響を分析する。更にこれが利潤、消費者余剰や外部効果も含めた経済厚生に与える影響も分析する。 その上で、寡占市場における様々な公共政策(環境政策、競争政策、規制政策、税・補助金政策、公企業の民営化政策、証券市場規則や会社法におけるコーポレートガバナンス改革など)に関して、企業の目的関数が利潤最大化から変わることによって、最適政策がどう変化するのかを分析する。
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研究成果の概要 |
企業の非利潤最大化行動に関して、common ownershipと企業の環境社会貢献活動の関連を分析した。common ownershipの程度が小さいときに、この増加は企業の排出量削減投資を増加させることがあるが、この程度が大きいときには、さらなるcommon ownershipの程度の増加は必ず排出削減投資を減少させることを明らかにした。 またcommon ownershipが企業のGreen燃料転換の誘因を阻害する効果も明らかにした。これらの成果はEnergy Economicsにそれぞれ掲載された。 これ以外にも9篇、三年間で計11篇の論文をSSCI所収の国際的な査読誌に公刊した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常利潤を最大化すると仮定される企業行動に関して、寡占市場における企業の様々な非利潤最大化行動の帰結や戦略的な相互依存関係を明らかにし、産業組織の分野での研究の幅を広げる成果を上げた。 特に取り上げたcommon onwershipは、競争政策の観点から近年関心を集めている。common onwershipに関して、新たな社会的な利益、損失を明らかにし、競争・産業政策上の多くの政策的含意を導いた。更に社会の最重要問題の一つである気候変動に関連し、企業の自主的環境政策を取り上げ、競争政策、環境政策の両面で多くの政策的含意を導いた。また産業組織と環境経済学の架け橋となる研究成果を発表した。
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