研究課題/領域番号 |
21K01534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
山根 智沙子 広島経済大学, 経済学部, 教授 (60512506)
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研究分担者 |
筒井 義郎 京都文教大学, 総合社会学部, 教授 (50163845)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 出生体重 / 低出生体重 / BMI / 女性の社会進出 / やせ型 / アンケート調査 / 双子研究 / パネルデータ / 有病率リスク / 双子データ |
研究開始時の研究の概要 |
低出生体重が、成人後の健康状態に影響を及ぼすことは医学分野において広く知られているが、健康のみならず、学歴、結婚、所得、幸福度といった人生の質にも大きな影響を与える可能性がある。そこで、本研究は、第1に、日本において双子データを構築し、出生体重そのものが、その後の人生に影響し続けるのか否かを検証する。第2に、先進国のなかで日本の「低出生体重児」の占める割合が突出して高い点に着目し、低出生体重児の発生原因を明らかにする。これら両方の結果から得られた知見をもとに、低出生体重をハブとして、世代間で不平等・格差が引き継がれている可能性について考察する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、低出生体重の原因と帰結を明らかにすることである。この目的を達成するため、日本、アメリカ、インドの3ヵ国のデータを用いて、低出生体重と高出生体重がその後の人生に与える影響を比較し、日本とインドでは低出生体重が、アメリカでは高出生体重が問題であることを明らかにした。次に、世界各国のデータを用いて、BMIやGDPの増加が低出生体重児比率に与える影響は国の豊かさによって異なること、低出生体重児比率と女性の就業率には因果関係がある可能性が高いことを明らかにした。最後に、独自の実施したアンケート調査結果を用いて、母親の出生体重を起点とし、子の出生体重に与えるさまざまな経路を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
出生体重は、新生児の健康状態を表す一つの指標として広く知られている。この出生体重という本人に責任のない特徴が、その後の人生の質にまで悪影響を及ぼすのであれば、政策的介入が必要となる。本研究は、2,500g未満で生まれる低出生体重児の発生原因とその後の影響を明らかにし、世界各国の政策立案者に適切な政策介入を提案する学術的な枠組みを提供している。具体的には、低出生体重児比率の発生原因やその影響の非線形性を理解することで、国別の政策の適応性を高めることが可能となる。この点に学術的な意義がある。
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