研究課題/領域番号 |
21K01554
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
林 行成 広島国際大学, 健康科学部, 教授 (90389122)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 公立病院 / 公立病院改革 / 薬価基準制度 / 新型コロナウイルス感染症 / 地域医療 / 社会厚生 / 外部性 / 独立行政法人 / COVID-19 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、公立病院改革が地域の社会厚生に与える経済効果について理論、実証の両面から検証していく。行財政改革が進められるなか、不採算となりやすい政策医療を担う公立病院に対しても経営の効率化をはかるべく公立病院改革が進められている。地域の医療は1つの医療機関によって完結するものではなく、地域全体の医療機関の有機的な繋がりによって形成される。仮に公立病院改革が地域の医療に負の影響を与え社会厚生を悪化させるならば、公立病院の経営が改善されたとしても肯定的な評価を下すことはできない。本研究は、公立病院改革をより広い視野から評価し、現代の医療政策に対して新たな経済学的知見を見出すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、公立病院を地域社会全体という視点からその存在意義や影響力について検証した。まず、公立病院改革が自己利得の追求を強める結果となれば、地域に悪影響を与える可能性を示した。また、現行の薬価基準制度は薬価引き下げという点で公立病院改革と制度的補完性を有しており、公立病院改革の持つ薬価引き下げとそのインパクトについて明らかにした。さらに、各都道府県での新型コロナウイルス感染症による人口当たり死亡者数に対して、国公立病院の病院割合や病床数割合が有意に関係することを明らかにし、パンデミックにおける国公立病院の重要性を実証的に示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
公立病院に関する経済学的研究では、公立病院単体の経営効率性に注目する研究しかなされてこなった。地域医療は地域の複数の医療機関の繋がりで構成されることに鑑みれば、公立病院改革が地域医療全体にどのような影響を与えるかを検証しなければならない。本研究では、公立病院を地域社会全体という視点からその存在意義や影響力を検証した点に、学術的にも社会的にも大きな意義がある。また、近年の新型コロナウイルス感染症といった公的役割が強調される環境のなかで、公立病院の存在意義をデータから検証でき、今後の公立病院の改革のあり方に対して政策的な示唆も導くことができたものと考えられる。
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