研究課題/領域番号 |
21K01563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
山中 卓 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (90804526)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ファイナンス / 金融リスク管理 / 信用リスク / 企業倒産 / 倒産 |
研究開始時の研究の概要 |
債務超過、資金繰り難、さらに人手不足や取引先破綻などの様々な倒産要因を包括的に取り扱う倒産リスク評価手法の構築を目指す。まず、企業データ分析により倒産発生の特徴抽出を行う。次に、倒産発生のメカニズムを記述する数理モデルの構築を行う。数理モデルの有効性を企業倒産等の実績データとモデル出力値の比較を通して検証する。
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研究実績の概要 |
金融機関には企業への円滑な融資の実行と継続的な経営支援を行うことが求められている.そのような経営支援を実現するためには,融資先が直面し得る多様な経営難をふまえた倒産リスク評価手法が必要になる.本研究では支払い不能や債務超過などの多様な倒産要因を包括的にとらえる倒産リスク評価手法の開発へ向けたデータ解析と数理モデルの提案を行った.まず,企業財務時系列データを入力情報とする倒産リスク評価モデルとして,ニューラルネットワークモデルの一種であるLSTMを用いた信用格付判別モデルを提案し,提案モデルが従来のモデルよりも精度が高いことを実証分析によって確認した.また,経営環境の変化が倒産発生に与える影響について統計モデルに基づいた解析を行った.さらに,倒産リスク評価の理論モデルである構造型モデルについて,従来のモデルでは扱うことが不可能であったキャッシュ不足による倒産も扱える形に拡張する定式化を考案した.
上記のうち,2023年度の成果は以下の通りである.まず,倒産リスク評価の理論モデルである構造型モデルにおいて,従来から倒産の定義とされていた債務超過だけでなく,新たにキャッシュ不足を倒産の定義に加えた新たな枠組みを提案した.また,具体的なモデル例を作成し,数値実験によってその有用性を確認した,それらの成果を国際会議および国内学会で公表した.また,企業経営者のもつ景況感を示す指標として知られている「帝国データバンク景気動向指数(TDB景気DI)」およびマクロ経済変数を用いた倒産件数予測に関する研究成果をまとめた論文を学術誌に投稿し,掲載された.その他に,企業の倒産リスクを財務情報の履歴から推定するための新たなモデルとして,TransformerとLSTMを組み合わせたタイプの倒産評価モデルを考案し,その有効性を実証分析によって確認した.その成果を論文としてまとめ,学術誌に投稿した.
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