研究課題/領域番号 |
21K01724
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
平澤 哲 中央大学, 商学部, 教授 (70610963)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 社会性と経済性の両立 / ハイブリッド組織 / 社会的企業 / 障害者 / 就労問題 |
研究開始時の研究の概要 |
障害者の就労問題の解決に向けて様々な制度が施行される中、現在もなお、多くの障害者たちは不利な条件のもとで就労している。近年、こうした慢性的な社会問題をビジネスのスキームを使って解決しようとするソーシャル・アントレプレナーシップに注目が集まっている。本研究は、フィールド調査を行い、障害者の就労条件の向上につながるソーシャル・イノベーションをいかに発展させることができるのか、また、発展されたイノベーションは、障害者の労働環境や働き方に対して、どのような変化をもたらすのかを明らかにする。こうした研究を通じて障害者の就労問題を学術的に解明していくとともに、実践的な示唆を導き出す。
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研究実績の概要 |
本研究は、従来の社会福祉や公共政策とは異なるソーシャル・アントレプレナーシップという新しいアプローチの創出や実行について、フィールド調査を通じて明らかにすることを目的としています。また、障害者の就労問題を学術的に解明するとともに、問題解決に役立つ実践的な示唆を導き出すことを目指しております。2年目にあたる令和4年度には、当初の計画においては国際学会の年次大会にて研究成果を発表することを予定しておりました。こうした計画に基づいて、Organization Studiesが主催するワークショップ(令和4年度5月開催)において成果を発表することができました。さらに、Academy of Management という世界を代表する国際学会の年次大会(令和4年度8月開催)にて研究成果を発表することができました。これらの海外主要学会にて研究報告を行うことにより、様々な研究者からフィードバックを得ることができ、研究成果の質を向上させることができました。その後は、国際ジャーナルへの論文出版に向けて論文投稿の準備を進めました。その際は、当該研究領域において優れた研究実績を有する代表的な研究者からも貴重な助言を頂くことができました。以上の成果を踏まえ、令和4年度においては、研究上の重要な進歩を遂げることができたと考えています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定性的な研究では、文献・インタビュー・観察から収集した多様かつ膨大なデータを分析し、そこから学術的な知見を発展させることを目指します。近年の研究では、発見を裏付けるエビデンスの重要性が一層強調されています。このため、時間をかけて着実に分析を進めました。最初に、インタビューの記録を正確に文書化することに時間を費やしました。次に、文書化されたデータを丹念に読み込み、インタビューイ、一人一人の見方を深く理解するように心がけました。また、現場での観察記録も整理し、組織の出来事を多角的に理解するように努めました。その後、関連する学術文献を幅広く検討し、理論的なフレームワークを構築しながら、分析を発展させました。膨大なデータの帰納的な分析に時間を費やしながらも、丁寧に分析を進めることができた結果、Academy of Management の年次大会において発表するための貴重な機会を得ることができました。実際には、学会報告の審査は厳しく、一定程度の水準に満たない限り、発表は認められません。このため、発表機会を経験したことは、研究が進歩していることを裏付けることになります。フィールド調査の拡充や、海外の査読付き学会誌への投稿については、3年目以降の課題として残りましたが、総じて、 当初予定していた作業を殆ど全て終えることができたという点で、本研究は、おおむね順調に進歩しております。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、データ分析の精度を高めながら、論文の執筆に専心していきます。研究成果については、国際的に評価される査読付きのジャーナルへ投稿します。ただし、就労問題の解決には、学術的知見の蓄積と発表に留まらず、実践の側面での進歩が不可欠です。このため、本研究から 導き出される実践的な示唆については、一般読者向けの書籍による公表や障害者就労セミナーでの講演を通じて、より多くの人々が現状の問題を認識し、解決に向けて協力関係を生み出せるよう尽力していきたいと考えております。
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