研究課題/領域番号 |
21K02073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
島田 昌也 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (10576755)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 果糖 / アセチル化ヒストン / CDK9 / IL-25 / 脂肪酸合成 / 肝臓 / イノシトール / 酪酸 / 単純性脂肪肝 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,果糖が誘導する単純性脂肪肝およびそれが食品成分によって予防された肝臓において,脂肪酸合成系遺伝子のプロモーターからgene bodyにおけるエピゲノム情報(特にヒストンアセチル化)やこれらの誘導・抑制因子(HAT,HDAC,BRD4,CDSK9など)がどのように変動するかをin vivoで検証する。
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研究実績の概要 |
短期的な果糖の過剰摂取は肝臓の脂肪酸合成およびトリアシルグリセロール(TAG)蓄積を促進する,すなわち単純性脂肪肝(以下,脂肪肝)を発症する。このような脂肪肝が発症あるいは抑制される際には,脂肪酸合成系遺伝子プロモーター上への転写因子ChREBPの結合が増減することを報告してきた。このような転写因子の制御に加え,ヒストン翻訳後修飾の制御も遺伝子発現制御に重要な役割を担っている。そこで,果糖を豊富に含む食餌(高果糖食),あるいは高果糖食に抗脂肪肝成分イノシトールを添加した食餌をラットにそれぞれ与え,脂肪酸合成系遺伝子のプロモーターおよびgene bodyにおけるヒストンアセチル化度,伸長因子(BDD4,CDK9,PolII)の結合量をクロマチン免疫沈降法により測定した。イノシトールの投与により,ヒストンH3のアセチル化はプロモーターおよびgene bodyの両方で抑制されたのに対し,ヒストンH4のアセチル化はプロモーターのみで抑制された。また,イノシトールの投与により,BRD4の結合量は変化がなかったのに対し,CDK9およびPolIIは転写開始点付近で結合量が抑制された。このことは,イノシトールが脂肪酸合成系遺伝子の発現を下方制御する際には,アセチル化ヒストンを認識するブロモドメインタンパク質BRD4を介さずCDK9およびPolIIを抑制することを示唆する大変興味深いデータを得た。 研究機関全体を通じての成果は,果糖の過剰摂取が誘導する脂肪肝が発症あるいは予防される際には,Th2の炎症性サイトカインの一つであるIL-25の分泌応答が関与し,また,転写因子ChREBP,ヒストンアセチル化,伸長因子(BDD4,CDK9,PolII)が脂肪酸合成系遺伝子の発現を複合的かつ協調し制御する知見を得た。
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