配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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研究開始時の研究の概要 |
本研究は, 体型プライミング(食前に見た人物や人物画像の体型が食物摂取量の増減に影響)という社会心理学的現象が認知症高齢者の食物摂取量と心理評価に及ぼす影響を実験的に明らかにする. 体型プライミングは従来, 健常若年者の摂取量減を目標として検討されてきた. 本研究ではこの現象が認知症高齢者の摂取量増加にも影響を及ぼすかどうかを明らかにするもので, 認知症高齢者の食物摂取を促進する食卓環境デザインに資する基礎的研究である.
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研究実績の概要 |
本研究は, 食卓環境が認知症高齢者の食事摂取量や食事評価に及ぼす影響を実験心理学的に検討したものである. 今年度は年度当初の研究計画に基づき, ①体型プライミングが認知症高齢者の食事摂取量に及ぼす効果についての実験結果の論文投稿, ②食卓関連性を操作した絵画の食卓提示が認知症高齢者の食事摂取量に及ぼす影響についての分析と学会での成果発表, ③本研究プロジェクトの成果の社会還元の一環として給食施設管理者等向けの講習会実施を中心として取り組んだ. まず, ①については, 成果を高齢者の臨床介入に関するオープンアクセス国際誌『Clinical Interventions in Aging』(Impact Factor: 3.6) にOriginal Researchとして発表した. この論文は健康・医療関連情報サイトHealthday Japanにて紹介されるなど関連領域内で注目を集めている. ②については, 食卓関連性の高い絵画を掲示した場合には食卓関連性の低い絵画の場合と比較して高齢者の食事摂取総量が有意に多くなったことを見出した. 一方で, この効果について認知症の有無による交互作用はみられなかった. これらの成果を第29回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会にて発表した. ③については, 中央区の令和5年度第2回給食施設担当者講習会にて食行動の心理学に関する講演を行った. 今年度は3年間に及ぶ当研究プロジェクトの最終年度であった. 新型コロナウイルス感染症パンデミックにより開始当初からプロジェクトの実験進捗や成果発表計画に影響がでたものの, 最終的には当初の目標通りにプロジェクトを進めることができ, その成果を査読付き欧文論文等で発表できたことから, 概ね順調に研究を遂行できたといえる.
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