研究課題/領域番号 |
21K02140
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 大同大学 |
研究代表者 |
渡邊 慎一 大同大学, 工学部, 教授 (00340175)
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研究分担者 |
岩井 将行 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (30458971)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 日傘 / 雨傘 / 暑熱緩和 / UTCI / WBGT / 生地色 / 平均放射温度 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、熱中症の危険性が高まっている。このような状況において、子供達の安全を守るため、いくつかの小学校では「傘差し登校」が開始された。特にコロナ禍においては、傘による熱中症の予防と共に物理的距離の確保も期待されている。しかし、子供用「日傘」はまだ一般には普及しておらず、多くの子供達は「雨傘」を使用している。これまで、日傘の暑熱緩和効果は明らかにされているが、雨傘の効果は解明されていない。そこで本研究は、実測に基づき雨傘および日傘の暑熱緩和効果を定量的に示し、雨傘と日傘の暑熱緩和効果の相違を明らかにする。本研究は、子供達の熱中症リスクの低減および予防に資するものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、熱環境の実測に基づいて雨傘および日傘の暑熱緩和効果を明らかにした。体感温度UTCI低減効果が最も大きいのは白日傘で-3.7℃であり、次いで、黒日傘が-2.2℃、黒雨傘が-2.1℃であった。一方、白雨傘のUTCI低減効果は認められなかった。WBGT低減効果も白日傘が最も大きく、その値は-1.3℃であった。 日傘による暑熱緩和効果は、日傘直下の頭部が最も大きく、地面に近づくほど小さくなった。身長が低い子供の方が大人よりも日傘による頭部の暑熱緩和効果が大きかった。日傘が大きいほど胴部や脚部の暑熱緩和効果は大きいが、日傘直下の頭部の暑熱緩和効果は日傘の大きさに関わらずほぼ等しい値であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
雨傘および日傘の日射透過率および下向き長波長増加率を明らかにし、日射および熱放射を総合化した平均放射温度MRTで各傘の放射特性を示したことは学術的に意義が大きい。また、雨傘および日傘による暑熱緩和効果を体感温度UTCIおよび暑さ指数WBGTで示し、白日傘が最も暑熱緩和効果が大きいことを示した。一方、白色の雨傘の暑熱緩和効果は認められないことを示した。これは、白色の雨傘では日傘の代用にはならないことを示したものであり、社会的な意義は大きい。
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