研究課題/領域番号 |
21K02339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
村田 実希郎 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (80723478)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 小児 / 医薬品 / 液剤 / 容器 / 使用性 / 液剤容器 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品は適正に使用されることを前提に投与・販売されている。薬局、医療機関で計量調剤される液剤は、各薬局・医療機関が容器を準備し、液剤を分注の上、患者に交付している。小児処方は数種の液剤を混合調製し、交付することが多いが、液剤容器に施されている目盛を用いて、1回1目盛の服用となるよう水でメスアップし交付する。服用する際は保護者が容器本体に記された目盛の1目盛分を服用ごとに注ぐが、手技として煩雑であるうえ、正確にはかり取ることが難しい。液剤容器の使用実態調査を実施し、ユーザーが使いやすい液剤容器の形態を検討するとともに、使用性・安全性を踏まえた、液剤容器の在り方を具体化(試製)し提唱する。
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研究実績の概要 |
研究グループ内で既存容器の問題点を整理し、問題点の評価、既存液剤容器の改善方法の検討を踏まえ、令和4年度に実施した実地調査の内容について詳細検証、解析を実施した。 医療用医薬品の内用液剤の具体的な調剤方法は医療機関や薬局ごとに異なるが、プラスチック製の液剤容器に薬剤師が必要分を分注、希釈して交付することが多い。4種類の液剤容器及び秤取デバイスを用いて官能評価を行ったが、その結果についての詳細を検証・解析した。また、CR(Child Resistance)キャップの認知度、開栓の可否についても解析を行った。使用しやすい液剤容器の要因として、NRSの評価では、「容器本体の目盛の表示」が最も高く(中央値: 8)、次いで「ふたの開閉栓性」という結果になった。その他、「容器本体の形状」「中栓ノズルの有無」「ふたの形状」は同様の評価(いずれも中央値: 5)が得られたが、このことから、液剤容器そのものの機能性より、服用量の正確な計量に必要な目盛の表示方法が重要視されていることが示唆された。これらのことから、一般ユーザーは薬液をより正確に秤取でき、衛生的で保管しやすいプリント目盛の液剤容器を求めていることが示唆された。液剤容器の詳細検証、解析を踏まえ、試作容器を作成し検証を行った。 「CRキャップについて、どのようなものか知っていますか?」の質問では、知っていると回答した協力者は22.5%であり、CR(Child Resistance)という言葉が普及に至っていないということが示唆された。また、未説明の状態で30秒以内にCRキャップを開栓出来なかった協力者は27.5%にのぼった。押しながら回して開栓するという行為自体が日常生活でも一般化していないことが示唆された。機能的要求事項は押し込み力、回転力が挙げられるが、日本人の体格的特徴等を踏まえたCRキャップの検討が必要であることが示唆された。
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