研究課題/領域番号 |
21K02885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
庄司 善彦 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 客員研究員(研究員) (90196585)
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研究分担者 |
宗尻 修治 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 准教授 (90353119)
斉藤 準 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90757668)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | FCI / ローソンテスト / 平均への回帰 / 受験対策 / 物理誤概念 / 認知発達 / 項目応答理論 / CTSR / 受験学習 / ジェンダー効果 / 物理教育 / テスト理論 / 大学受験学習 / 学習過程モデル / 認知段階 / STEM |
研究開始時の研究の概要 |
近年の物理教育研究は主として2種類の能動型学習 ① 物理法則に反する常識の克服 ② 知識型教育へのIT技術の活用と効率化,を発達させてきた.これらと並行して③学生の個性による認知発達段階と教育効果の相関が指摘され,十代前半を対象に研究が進んでいる.大学全入時代にある日本では高校から大学への段階でも③の研究が必要だが,この研究は世界的にも発達途上にある.本件は ③の観点から①と②を評価する調査と,解析に必要な新たな手法の開発である.この知見は学生の能力に応じた教育の最適化に寄与する.
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研究実績の概要 |
データ収集:本研究では力学概念理解度調査(FCI)と科学的推論能力テスト(CTSR:ローソンテスト)への同一学生による回答対をデータとする。回答時間が長くなるためデータ収集は容易ではないが、2023年度は講義時間外に回答を求め、応じた学生に謝礼を渡す方式を採用できた。2020年度までに得られていた回答対は208対であったが、COVID-19感染警戒期間であった2021対、2022年度はそれぞれ合わせて81対と63対であった。これに対して2023年度は収集状況が回復し、225対の回答を得た。 データ解析:本件では、FCIのスコアを(1)CTSRスコア、(2)高校物理科目履修状況、(3)センター試験(または共通テスト)における科目選択、(4)大学の専門分野という、4つの因子で説明することで、受験対策による誤概念克服を明らかにする計画であった。しかし、データの蓄積に伴い、考慮すべき因子として(5)性別を加える必要性が明らかになった。性別の影響を考慮したテータ解析を、物理教育学会および物理学会において報告した。誤概念克服度(FCIスコア)に対する受験勉強の効果はほぼ明らかになった。 学習前の学生状態の影響:上記と並行して大学における物理学習に対する、学習前のFCIスコア、あるいはCTSRスコアの影響の調査も進め、物理学会において報告した。 テスト解析手法の開発:テストスコアを評価する手段として、正誤比の対数を使う方法を開発した。これによって、正規分布を前提としたパラメトリックな解析が可能となる。この手法の鍵は「平均への回帰」として知られる統計現象への対応で、新たな補正手法の開発によって解決した。この結果は大学教育学会、物理教育学会、物理学会、および国際会議(ARE Conference)において口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究申請時には「懸念要素」であったが、COVID-19の影響は3年に及び、研究期間延長を申請する大きな要因となった。具体的には、大学講義のオンライン化への対応によってデータ収集が大幅に遅れた影響が大きく、2021年度からの遅れを取り戻せていない。学会開催の回復も国内では2023年度から徐々に行われたが、国際会議開催の回復は遅く、2023年度に参加できたのは1件のみであった。 データ解析の手法として項目応答理論の使用を考えていたが、能力値に対して正解率が低下する問題の存在などの課題が見つかった。この問題への対応として、ロジスティック関数と「平均への回帰」補正の採用により、正規分布を前提とした解析が可能とした。世界的にみて独自の手法開発となったことが研究計画の遅れの一因である。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集:2024年5月現在で、収集できた回答対数は約660である。多くの大学において、2種類のテストへの回答は講義計画への影響が大きく、容易に進めることはできない。従って、現在得られているデータを使って解析を進め、論文を英文雑誌に投稿する計画である。 テスト解析手法の開発:これと並行して、パラメトリック解析を可能とする解析手法も論文化を進め、年度内に投稿する計画である。
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