研究課題/領域番号 |
21K02937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 舞鶴工業高等専門学校 |
研究代表者 |
内海 淳志 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30402663)
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研究分担者 |
石川 一平 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10511735)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 教材開発 / 半導体教育 / ダイオード / 液体金属 / シリコンダイオード / 教育プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
半導体デバイスを学習するための実験教材として,液体金属を電極に用いたショットキーダイオードを提案している。このダイオードは,蒸着装置やスパッタ装置などの製造装置を使用せずに作製できるため,大学や高専の半導体実験室以外で作製実験を行うことができる。本研究の目的は,このダイオードを教材とした半導体デバイス作製実験の教育プログラムの構築とその教育効果の検証である。具体的には,舞鶴工業高等専門学校の実験実習において,教育プログラムの設計,実施,評価および改良を3年間に渡って繰り返すことで実用化する。本研究で得られる成果は,大学・高専などの授業を中心に広く利用されるものと考えられる。
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研究実績の概要 |
半導体デバイスを学習するための実験教材として,液体金属を電極に用いたショットキーダイオードを提案している。このダイオードは,蒸着装置やスパッタ装置などの製造装置を使用せずに作製できるため,大学や高専の半導体実験室以外で作製実験を行うことができる。本研究の目的は,このダイオードを教材とした半導体デバイス作製実験の教育プログラムの構築とその教育効果の検証である。具体的には,舞鶴工業高等専門学校(以下,舞鶴高専)の実験実習において,教育プログラムの設計,実施,評価および改良を3年間に渡って繰り返すことで実用化する。 今年度は,舞鶴高専の専攻科1年生8名(半導体工学を学習済みの20~21歳の学生)を対象として,ダイオード作製実験に対する教育効果の検証を行った。具体的には専攻科の特別実験において4月から9月までの期間で,ダイオード作製実験およびその特性の評価,学生への事前事後の授業アンケートを行った。結果として,前年度と同様,半導体デバイスへの理解が深まったとの意見が多く,一定の教育効果が見られた。 本研究の課題としてデバイス毎の特性のばらつきがあるが,その原因の一つとして電極形状が不安定であることが挙げられる。具体的には,液体金属が変形しやすいため,形成した電極形状が不揃いであったり,測定時に電極形状が崩れたりする。そこで,塗布による電極形成時には液体でありながら,測定時には固体化する液体金属を試作した。融点を高くするため,液体金属の組成を調整し,試作した液体金属の電気抵抗,およびそれをダイオードの電極として使用した際の電流-電圧特性の評価を行った。開発した液体金属は,融点を上げることで取り扱いがしやすく,組成を調整する前の液体金属と比較しても同等の電気的特性を有していることがわかった。この改良した液体金属を用いたダイオードについても引き続き評価をしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教育プログラムの構築と試行についてであるが,当初の計画に沿って進めることができた。今年度は,専攻科生を対象として開発している教育プログラムの試行を行った。具体的には,ダイオード作製実験およびその特性の評価,学生への事前事後の授業アンケートを行い教育効果の検証を行った。結果として,半導体デバイスへの理解が深まったとの意見は多く,一定の教育効果が見られた。デバイスの特性のばらつきを抑えるため,液体金属の改良に取り組んだ。組成を調整し,融点を上げた液体金属を開発することで,電極形状を安定化させることに成功した。以上のことから,今年度の研究の達成度はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,今年度と同様,舞鶴高専の専攻科1年生約6名の実験実習において,ダイオード作製実験を行う予定である。前年度と同様に,4月から9月末までの期間での実施を計画しており,事前事後の授業アンケートなどでその教育効果を再度検証する。教材開発については,シリコン基板の洗浄・酸化膜除去プロセスの検討を継続して行うとともに,前年度に作製したダイオードの電流電圧特性の測定を定期的に行うことで,その経時変化を調べる予定である。
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