研究課題/領域番号 |
21K02989
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
神原 歩 京都先端科学大学, 人文学部, 准教授 (30726104)
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研究分担者 |
武藤 拓之 京都大学, こころの未来研究センター, 特定助教 (60867505)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 自己中心性 / 空間的視点取得 / 心的視点取得 / 身体的認知 / 心的視点視点取得 / 身体性認知 / 自己中心性バイアス |
研究開始時の研究の概要 |
人の気持ちを考えなさい, と人は言う。従来の心的視点取得研究は「相手の立場に立って相手の気持ち考える」ことの社会生活における重要性から, その促進方法を検討してきた。しかしながら, 人が「相手の立場に立って考える」時に, 実際に何を行っているのか,その個人内メカニズムについて分析的検討がなされてこなかった。 そこで本研究は, ①心的視点取得過程の構成要素を明らかにし, ②各要素への介入により,効果的な心的視点取得促進方法を開発することを目的とする。これらにより,心的視点取得のメカニズムの一端の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
心的視点取得とは,相手の立場に立って相手の気持ちを想像・理解することを指し,円滑な社会生活に肝要である。本研究は,その心的視点取得を効果的に促進する方法を開発することである。 近年, 心的視点取得と相手の位置からの見え方を想像する空間的視点取得とには,自分の身体表象を相手の視点の位置まで移動させるという心的シミュレーション (以下,仮想的身体移動) を行うという共通基盤が存在する可能性が指摘されている。 本研究は、空間的視点取得を促進することがわかっている方法を心的視点取得に適用することにより、心的視点取得が促進されるかを検討するものである。 そこで令和3,4年度は、空間的視点取得においては対象と向き合う角度が小さくなるほど心的視点取得が容易になることから, 心的視点取得時にも仮想的身体移動が生じているなら,対象と向き合う角度が小さくなるほど心的視点取得が容易になると仮説を立て実験を行った。その結果, 身体的位置,すなわち相手と向き合う身体角度差が小さくなることにより心的視点取得が効果的に促進されることを発見した。また、空間的視点取得を促進する身体的姿勢が、心的視点取得を促進する効果についての予備実験も行ったが、実験操作に不具合が見つかったので、今後修正をして令和6年に再度実施する予定である。 令和5年度は、令和4年度までの実験結果を論文にまとめpreprintとして発表し、海外雑誌に投稿を行った。また、空間的視点取得能力と心的視点取得能力に相関があることを主張する先行研究(Erle and Topolinski, 2015)の追試となるオンライン実験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際共同研究を並行して始めたことにより、当初の計画より進捗は少し遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
心的視点取得過程における仮想的身体移動の存在を明らかにするために,仮想的身体移動を促進する姿勢だけでなく,仮想的身体移動を妨害すると考えられる姿勢の検討も取り入れて研究を進めていく予定である。 また、心的視点取得が得意な人と不得意な人では、身体的動きにどのような差異があるかについて、motion analysisを使用して確認することを視野に入れている。
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