研究課題/領域番号 |
21K03049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂田 昌嗣 京都大学, 医学研究科, 助教 (40593653)
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研究分担者 |
白石 直 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30632989)
堀越 勝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 特命部長 (60344850)
古川 壽亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 認知行動療法 / スマートフォン / うつ病予防 / 大学生 / ランダム化比較試験 / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
大学生のうつ病は学業や学生生活全体に重大な影響を与えるため、治療のみならず予防が課題となっている。一方、各大学で対応する人的、経済的資源は限られている。そこで本研究では、スマートフォン認知行動療法を用いて大学生へのうつ病予防効果を検証し、その最適な構成要素の組み合わせを導き出すことを目的とする。 複数大学の健常大学生1,088名に対してスマートフォン認知行動療法を構成する5つの要素および順序の組合せ64通りにランダムに割り付け、8週間の介入の後1年間追跡し、うつ病発症率を比較する。 それらの結果をもとに最新の情報技術を用いた大学生へのメンタルヘルス介入の普及 を目指すものである。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度に結果をまとめて受理された急性期解析論文をBMJ Mental Health(IF=13.5)に出版した。また、iCBT各要素の効果修飾因子に関して探索的解析を行い、対象者の外向性が高いほど認知再構成法、運動習慣があるほど、またプレゼンティーイズムがあるほど問題解決技法の効果が高いことが明らかとなった。さらに、アルバイト経験があるとセルフモニタリングの効果が高かった。これらの結果をJournal of Affective Disorders(IF=6.5)に発表した。 その上で、うつ病予防効果を検証するために、集積した合計1627名の対象者を1年間追跡を完了した。ランダム割付から1年後(52週後)に本研究の主要アウトカムであるうつ病発症(世界保健機関複合国際診断面接法:CIDIのオンライン版)を取得した。事務局より個別連絡と謝礼の送付により、85%以上のアウトカム取得を達成した。 第8週PHQ-9をアウトカムとした急性期解析では最適なCBT要素の組合せを導き出せなかったたため、今回も各CBT要素のうつ病発症予防への効果を探索的に解析することとした。現在、解析結果を得て論文を執筆している段階である。 こららの解析から得られた結果を、次年度に英文学術雑誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度から5つの大学の共同研究者から協力を得てたこと、また、複数の広報媒体により大学生がエントリーサイトにアクセスしやすい環境を作ったことにより、効率的なリクルート活動が行えた。そのため、当初2023年度までに対象者集積を終了する予定であったが、2022年度のうちに終了でき、急性期アウトカムの解析、第1論文の投稿と受理まで完了した。さらに、2022年度のうちに全症例の追跡を完了し、解析まで行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は集積した合計1627名の対象者を1年間追跡後のうつ病発症予防効果を検証し、論文を投稿する。また、これらのデータを大学生のうつ病発症の予測モデルを開発し、その妥当性を検証する。 こららの解析から得られた結果を、英文学術雑誌に投稿する予定である。
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