研究課題/領域番号 |
21K03079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
谷 晋二 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20368426)
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研究分担者 |
茂本 由紀 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (60823242)
井上 和哉 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (60880383)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 言語的ルール / 発達的研究 / 実験的研究 / ルール支配行動 / 質問紙の開発 / IRAP / 関係フレーム理論 / ACT / 発達的変化 |
研究開始時の研究の概要 |
他者から提示されたり、自身がら作り出したルールには関係づけ反応が含まれ人の行動に大きな影響を与え、うまくいかない行動を持続させる。関係づけ反応が人間の行動を統制するようになる発達的変化やプロセスについての研究は十分ではない。本研究の目的はルールに従う行動の発達的変化とそこに影響する環境的、文化的影響を明らかにすることと、そのプロセスを明らかにすることである。2つの研究を行う。研究1は、質問紙を用いた横断的研究で年齢による変化、環境的要因、文化的要因を比較検討する。研究2では、コンピューター課題(IRAP)を用いてルールに従う行動のプロセスを関係フレーム理論に基づくモデルを使って明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は言語的ルールが人の行動に及ぼす影響を発達的な視点と実験的な視点から検討することが目的である。発達的な視点から検討するために,質問紙を用いた研究を実施している。言語的ルールが人の行動に及ぼす影響については,日本ではほとんど研究がなされてこなかった。そのため,本研究では,言語的ルールが人の行動に及ぼす影響を検討した文献のレビュー,研究に必要な質問紙の開発を行っている(日本語版 一般的プライアンス尺度GPQ-C)。本研究は,言語的ルールがヒトの行動に及ぼす影響を発達的,実験的に検討するという点で重要な研究であり,海外で行われている類似の研究とデータを共有することで,文化的な特徴を明らかにしようとする点で社会的な意義の高い研究である。本年度は,言語的ルールに関する実験的研究が日本でどのように研究されてきたのかを報告する研究発表(シンポジウム)を日本認知・行動療法学会,ABAI 11th Internationalで行った。先行研究のレビューから,言語的ルールに関する研究が日本では非常に少ないことが明らかとなり,とりわけ基礎実験ではほとんど研究が行われていなかった。今後の研究には,言語的ルールの概念的な整理と人を対象にした実験手続きの開発が必要であることを報告した。また,言語的ルールと心理的苦悩との関係を臨床的な観点から報告する発表をACT Japan年次ミーティング,発達心理学会で行った。イタリアで行われた17th CONVEGNO NAZIONALE SU QUALTA DELLA VITA E DISABILITAでは,研究代表者(谷)が招待講演を行い,障害のある人への支援のあり方を言語的ルールの行動への影響を含めて,報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
言語的ルールの発達的な変化を調べるための質問紙の開発を行っている。現在研究は最終段階のデータ収集を行っており,6月にはデータの収集が終了し,分析と成果発表を行う予定である。実験的な研究では,IRAP(Implicit Relational Assessment Procedure)とFAST(Functional Assessment Speed Test)と呼ばれるコンピューター課題を用いた実験を行っている。その成果の一部は,現在国際雑誌に投稿,査読中である。 本年度は研究の最終年度であるので,これまでの成果を踏まえて,一般向けの研究報告会を企画している。2023年4月に,第1回の一般向けの講演会を実施している。
以上から,おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調に進行しているので,2023年に行われる国内学会,国際学会での発表準備を進める。具体的には,日本行動分析学会(9月)および日本認知・行動療法学会でシンポジウムを行う準備を行っている。また,ACBS(Association of Contextual Behavioral Science)では実験的研究の成果をポスター発表する。 年度末(12-3月)の間に,前提の成果をまとめた一般向けの研究発表会(第2回)を行う予定である。
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