研究課題/領域番号 |
21K03144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
菅野 康太 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (80722470)
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研究分担者 |
奥野 浩行 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80272417)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 超音波発声 / 音声コミュニケーション / マウス / 性行動 / 求愛 / 社会行動 / 性的不応期 |
研究開始時の研究の概要 |
雄マウスが超音波で発する求愛発声に対して、[超音波録音]・[ビデオ録画]・[神経活動の記録]と操作を同期して行うことで「求愛発声の多さと音節の複雑さには、性的動機づけの強さとドーパミン(DA)神経活動が表出されている」ことを一括・統合して示す。さらに、射精後の性的不応期には求愛発声も見られなくなることに着目し、性的不応期に関与するDA神経投射のうち、どの回路が求愛発声を制御しているかを同定する。この不応期のDAシグナルは、性的動機づけのみならず性的身体反応も担うが、本研究により、これらDA神経系のどの回路が発声と動機づけを機能分担しているか、明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、超音波でなされるマウスの求愛発声に表現される情動状態と、ドーパミン神経の活動との関係を対応づけることを目的として行われた。つまり、性的動機づけが高い雄は、雌と出会うと高頻度で特徴的な発声を行い、ドーパミン神経が活性化していると仮説立てたわけである。そこで、神経活動の操作とイメージングによりこれら仮説の検証を試みたが、しかし、実験系が確立できず、仮説検証に至らなかった。一方、行動学的な解析では成果があった。性的動機づけが高まっている際の声の「盛り上がり」とも言える音響特徴を定量できる方法を開発した。さらに、複数個体間でこのような盛り上がりを観察できる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私はこれまでに一貫してマウス超音波発声の内容が示す生物学的意義を研究してきた。このことにより、近年、生物医学・神経科学分野では、コミュニケーションに障害が見られる発達障害のモデルマウスにおいて超音波発声が頻繁に解析されている。本研究の成果も、そのような病態モデルマウスの行動表現型に対する解析・解釈に今後貢献しうる。高精度な実験・解析手法が蓄積されることにより、動物実験心理学や神経科学分野の研究者に広く技術を提供することにもつながる。また、本研究は、感情表現にも繋がる情動の表出とそのメカニズムを探るもので、そのような基礎研究の進展に貢献する意義を持つ。
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