研究課題/領域番号 |
21K03285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
細川 卓也 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (90553579)
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研究分担者 |
瀬戸 道生 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 教授 (30398953)
阿部 敏一 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (40749157)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 荷重合成作用素 / Hardy空間 / Bergman空間 / グラフ / 有界性 / コンパクト性 |
研究開始時の研究の概要 |
解析関数空間上の(荷重)合成作用素の関数解析的な性質を、そのシンボル関数の函数論的な性質で特徴付けるという視点で様々な研究が為されている。本研究では基本的な未解決問題である、単位円板上のHardy 空間やBergman 空間における荷重合成作用素の有界性とコンパクト性の特徴付けの解決を目指す。
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研究実績の概要 |
(1)前年度までの研究過程で、古典的なNevanlinna関数に荷重を施し、一般化Nevanlinna関数を考え、その境界挙動を精査する必要性が生じていた。 このためには、研究代表者が今まで研究対象としてこなかったRiemann面やポテンシャル理論や値分布論に関する知見が必要であった。 研究代表者はこれらの知見を得るために、周辺分野を含めた情報収集を行った。 (2)研究代表者は、荷重のないBergman空間上の荷重合成作用素の挙動を、荷重付きBergman空間上の荷重のない合成作用素の挙動として捉えることが出来る、という知見を得ている。 ただし、この場合の荷重付きBergman空間の荷重はradial(半径方向で一定)になっていない。このようなnon-radialな場合の空間論は、煩雑になるため、適切な仮定条件下で構築するところから始める必要がある。研究代表者は、前年度に引き続き名城大学の田中清喜氏との研究打ち合わせを行い、non-radialの場合の問題点とその対応方法について議論した。 (3)前年度までに研究代表者は、単位円板上の関数空間の離散化に対応する、グラフ上の関数空間を考え、その上の荷重合成作用素の研究を行ってきた。これまでは、離散的な関数空間のノルムとしては、多項式オーダーのものを考えてきたが、これを指数関数的なオーダーまで一般化することで、単位円板上のFock空間に対応する離散Fock空間が定義できる。この上の荷重合成作用素の有界性やコンパクト性などの諸性質をシンボル関数の性質によって特徴づけた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染症対策の影響に加え、研究代表者の体調不良により、研究がやや遅れてしまった。 遅れた研究内容は、研究打ち合わせを必要とする「non-radialの場合の荷重Bergman空間の理論の構築」「樹状グラフ上な関数空間の上の荷重合成作用素の研究」である。 以上を総合して、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
上記の【研究実績の概要】で述べた(1)について、引き続き周辺分野の情報収集を続けていく。そこで得られた知見を、本研究にフィードバックさせていく。 (2)については、引き続き名城大学の田中清喜氏との連絡を密に取り、non-radialの場合の荷重Bergman空間の理論を構築していく。 (3)については、これまでよりもさらに多くの離散的な関数空間を定義し、研究することが出来るようになった。これらの関数空間上の荷重合成作用素について得られた成果を、単位円板上の場合に適用していく。
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