研究課題/領域番号 |
21K03356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 武蔵野大学 |
研究代表者 |
高石 武史 武蔵野大学, 工学部, 教授 (00268666)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 変分不等式 / フェーズフィールド / き裂進展 / 数理モデル / 数値シミュレーション / 破壊 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、フェーズフィールドき裂進展モデルにおいて、これまで実現できなかった開口モードと圧縮モードの両方に対応したき裂進展/破壊モデルを構築し、その有効性を確認することを目的とする。材料の圧縮による破壊に伴う非現実的な材料変位を避けるために,拘束条件を用いたエネルギーの変分不等式として導出する。 このモデルが実現すると、経年変化などで開口と圧縮の変位を繰り返しながら材料が破壊する現象の予測が可能となり、材料や構造物の耐久性のより詳しい見積もりが可能となることが期待される。
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研究実績の概要 |
外部接触条件を拘束条件と内部接触面の非貫入条件を課した勾配流モデルを用いて、弾性体の変形において変分問題と拘束条件としてモデル化し、FreeFEM と IPOPT パッケージを用いてその数値シミュレーションコードを開発した。また、裁断機による断裂のように移動する外部拘束条件を持つ場合について、さらに内部接触面の非貫入条件を課した2次元のき裂進展現象のシミュレーションを行い、ブレードの間隔がある値より大きい場合にき裂断面形状が大きく変形することがわかった。これらの結果を、国際会議ICCCM2023において発表した。また国際会議ICIAM2023においてミニシンポジウム"FreeFEM software package for finite element modeling of PDEs"をオーガナイズし、FreeFEMによってこのアルゴリズムをどのように再現したかについて発表した。 接触面における摩擦のモデル化についても検討を行った。現象をできるだけ取り込もうとする転がりすべり接触による摩擦熱の発生について考慮したモデルも提案されているが、柏原らによって研究が進められているTresca摩擦条件下での線形動弾性体方程式を元にモデル化できないか調査を始め、検討している。 更に、モデル化にあたり、き裂進展の方程式に立ち戻り、1次元平衡解の解の性質とフェーズフィールドモデルにおける時定数の物理的意味について検討を行った。前者については1次元複数き裂解のエネルギー比較から単一き裂解への遷移が予想されることを日本応用数理学会第20回研究部会連合発表会において発表した。後者については、時定数と粘弾性との関係性について現象・理論・シミュレーションで解析を行い、木村、田中らとプレプリントを発行した(雑誌投稿中)。
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