研究課題/領域番号 |
21K03423
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
近藤 康 近畿大学, 理工学部, 教授 (40330229)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 開放系 / 量子情報 / NMR / 複合量子ゲート / 孤立系 / NMR量子コンピュータ / 分子 / 頑強な量子制御 / 量子コンピュータ |
研究開始時の研究の概要 |
開放系の理論研究は古くから行われてきたが,実験的研究では環境の影響を段階的に制御する必要があり,逆説的に孤立した系(例えば,BEC凝縮をおこす冷却原子)を作ることができるようになった最近になって大きく発展してきた.本研究でも,等方的な溶媒中の溶質分子のスピン系が孤立系と見なせることに着目し研究を行う. 本研究のようなNMRを実験手法とした開放系の研究は世界的に例がなく,開放系に関する興味深い実験を行うことができ,他の手法による開放系の研究を補完する知見が得られると期待される.
|
研究成果の概要 |
NMR量子コンピュータの手法を応用して開放系(緩和機構)の理解を深めた.開放系の理解に関連して,通常は望ましくない環境との相互作用(ノイズ)を逆用した情報のエンコーディングや緩和を積極的に制御することによる測定対象の初期化(冷却)の提案を行った.また,実験を行うための超低磁場NMR装置開発を通じて,NMR量子コンピュータの開発も進めた. 環境からのノイズに耐性を持つ複合量子制御(CQG)の研究も行った.Off Resonance Errorに耐性をもつCQGの幾何学的性質やPulse Length Errorに耐性をもつCQGの最短実行時間に対する知見などを得た.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子コンピュータや量子センサなどの高度に量子状態を制御する量子デバイスの応用が注目されている.これらは常に環境と望ましくない相互作用をしており,その活用のためには開放系(環境と相互作用する系)の理解が不可欠である.本研究により,その理解を深めることができた.また,量子技術人材の育成にも活用できるNMR量子コンピュータの開発も進めることができた. 環境との相互作用は量子デバイスを誤動作させるノイズと捉えることができる.それらのノイズに耐性を持つ複合量子制御に関する我々が得た知見は,広く精密な量子デバイスを活用する上で有用である.
|