研究課題/領域番号 |
21K03480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々木 裕司 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00649741)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 液晶 / 自己組織化 / パターン形成 |
研究開始時の研究の概要 |
液晶材料においてしばしば観察される分子配向のトポロジカル欠陥は、光学などの分野において新たな応用の可能性を秘めている。特に、液晶材料にイオンを混合し交流電圧を印加することで、欠陥を自己組織化によって規則正しく並べることができる。本研究では、電気インピーダンス測定を通じて、欠陥のパターン形成を誘起するために必要な印加電圧の周波数依存性について調べる。データを解析することで、パターン形成の物理的メカニズムについて新しい知見を得る。
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研究成果の概要 |
負の誘電異方性をもつ液晶材料にイオンを混合し、絶縁性の高い界面で閉じ込めて電圧を印加すると独特のパターン形成を観察することができる。この現象のメカニズムを明らかにするために、本研究では試料セルに対して電気インピーダンス測定を実施した。電気インピーダンスの周波数依存性から試料セル内部の電圧降下を定量的に見積もった。解析の結果、液晶のパターン形成が観察される際に液晶部分に印加されている電圧は、通常の再配向転移に必要な電圧値とほぼ同等であることが示された。得られた実験事実に基づいて系を記述する方程式を仮定し、数値シミュレーションを実施したところ現象を再現できることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液晶材料を扱う上で、配向の制御は基礎・応用研究の両方において重要である。中でも、電場と界面の効果は様々な場面で活用されており、これまでに多様な研究がなされてきた。本研究では、導電性の高い液晶と絶縁性の高い界面の組み合わせにおいて独特な現象が観察されることに注目し、メカニズムの解明を目指して電気インピーダンス測定を実施した。実験の結果、試料セル内部の電圧降下を定量的に見積もることが可能となり、欠陥のパターン形成の理解につながる情報を得ることができた。得られた知見を踏まえて数値計算を行ったところ、現象を再現できることが分かった。今後の理論的な理解に役立つことが期待される。
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