研究課題/領域番号 |
21K03513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
伊藤 公孝 中部大学, その他の部局, 顧問 (50176327)
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研究分担者 |
神谷 健作 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部, 上席研究員 (60360426)
佐々木 真 日本大学, 生産工学部, 准教授 (70575919)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 輸送障壁発生機序 / 大域的弾道的熱輸送 / 乱流の捕捉 / リミットサイクル / 崩壊現象 / MHDモード・リミットサイクル / 乱流構造 / 磁化プラズマ / 輸送障壁 / 動的応答 / 強相関乱流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、磁化閉じ込めプラズマの輸送障壁の動的応答の代表的現象として、特に(a)L-H遷移、(b) 内部輸送障壁の形成機構、さらには(c)H-モード輸送障壁の自律的変動、に関わる動的応答を対象に選ぶ。これらの対象に、最新のプラズマ乱流理論「強相関乱流」の展開を応用する。こうした方法論によって、未解決の諸問題(例えば、L-H遷移での二段階遷移や遅い遷移、内部輸送障壁の発生動態、そしてH-モード障壁でのedge-harmonic oscillation (EHO)や中規模のedge-localized modes (ELM))に理解を与えモデルを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、磁化閉じ込めプラズマの乱流構造の動的現象の典型として、H-モード輸送障壁と内部輸送障壁(ITB)に関わる動的応答を対象に選ぶ。この問題に、最新のプラズマ乱流理論「強相関乱流」の展開を応用し、未解決の諸問題(例えば、H-モード障壁でのedge-harmonic oscillation (EHO)や障壁崩壊現象 ELM(edge-localized mode)、内部輸送障壁(ITB)の発生・崩壊機序、など)に理解を与えることを目標とした。 この目標を達成するために、最終年度では、まず、周辺輸送障壁のELMに対し現代的データ解析手法を適用した。その結果、通説とは異なり、Type-I ELMと呼ばれる大規模な輸送障壁の崩壊現象ではtearing modeが突発していることを実験観測で発見した。これはType-I ELMに新しい説明を与える極めて重要な知見である。爆発的成長が従来のモデルでは説明が難しかったこと、代表者らが創案した突発現象モデルを当てはめることができることなどを理論的に示した。ITBについては、発生機序について、通説とは異なる新仮説(大域的な弾道的な熱輸送の消失がITBの発生を促すという描像)を、JT-60U実験装置の実験結果の中に前年度見出したが、ITB形成と崩壊に対する弾道的な熱輸送の効果を実験的に定量的に評価することができた。 研究期間全体の成果を総括すれば、当初の目標を上回る多くの成果を達成した。H-モードの輸送障壁では、EHOのリミットサイクル、ELMの(通説と異なる)多様性を実験観測で発見し理論モデルを示した。ITBの問題についても、大域的なバリステイックな熱輸送の消失・発生が形成・崩壊を促すという、全く新たな描像を見出した。これらの多くの成果を広く発信した。
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