研究課題/領域番号 |
21K03535
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石井 理修 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (40360490)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 量子色力学 / lattice QCD / チャームクォーク / ダイクォーク / チャームバリオン / 閉じ込めポテンシャル / ハドロン物理 / 格子QCD / ハドロン構造 / シュレディンガー方程式 / 構成クォーク模型 / クォーク・反クォークポテンシャル / バリオン / ポテンシャル |
研究開始時の研究の概要 |
ハドロン構造論で新しい有効自由度としてダイクォークに注目が集まっている。この研究ではダイクォークの性質(相互作用や質量)を格子QCD第一原理計算に基づいて解明する方法を提案し、実際に格子QCD計算を用いてこれらを求める。ダイクォークが構造を持つ複合粒子である。このため、ダイクォーク・クォーク間ポテンシャルの近距離部分の振る舞いはあまりはっきり理解されていないため、この部分に注目して研究を進める。ここで得られた結果を用いて、J-PARC実験等で関心が高まっているLambda_cバリオンの励起スペクトルを研究する。
|
研究実績の概要 |
scalar-diquarkをやっていた学生が就職して抜けたため、新しい学生と続きを始めた。これにあたり、これまで採用してきたCoulombゲージよりLandauゲージの方が繰り込み可能性を含めて、いくつかの点で魅力的な点があるので、Landauゲージを使った計算を行い、Coulombゲージと比較することから始めた。現在、河内・佐々木法をLandauゲージのccbarセクタに適用して、結果をCoulombゲージとの比較している段階である。スパコン上での統計は取り終わって結果の解析中である。現状でわかっているのは、Landauゲージの方が(1)収束が遅い(2)チャームクォーク質量が軽い(3)スピン非依存中心力はほぼ一致(長距離について注意深く吟味する必要あり)(4)スピン依存ポテンシャルは、rangeがほぼ等しく強さが強い。比較が完了し次第、論文にまとめΛcセクタでscalar diquarkの計算にうつる。
一方、Σcセクタでcharm-quarkとaxial-vector diquarkのNBS波動関数を求め、河内・佐々木法を適用してaxial-vector quark質量とquark-diquarkポテンシャルを求めることを別の学生と始めた。現状で統計が低く、定量的な収束は得られていないが、定性的には、次の結果を得ている。(1)スピン非依存ポテンシャルはCornell型である (2)スピン依存ポテンシャルは近距離型のsmearedデルタ関数型である。統計を改良後に論文にまとめ、scalar diquarkとaxial-vector diquarkの比較へ進んでいく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
CoulombゲージとLandauゲージの比較はΛc(scalar diquark)のところまで終わっていて、最終年度ははじめからΛcの励起状態に関する議論を開始したかったが、そこに至っていない。一方で、Σc(axial-vector)diquarkの方は、着々と進みつつある。しかしながら、scalar diquarkとaxial-vector diquarkの比較を行うためには、axial-vector diquarkの方で、河内・佐々木法をscalar diquarkの計算で使った方法で置き直す必要があり、これには時間がかかる可能性があり、年度内に完了するかどうかが未病な状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで得られている結果を解析を深めて論文にまとめる。次にCoulombゲージとLandauゲージの比較をΛcセクタで行い、次にΛcの励起状態をポテンシャル法を使った計算と、variational methodを使った2点間数の計算で比較検討する。別のクォーク質量での計算を開始し、クォーク質量依存性を議論する。scalar diquarkとaxial-vector diquarkの比較を行う。その後、クォーク質量依存性の議論へ進む。
|