研究課題/領域番号 |
21K03728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
太田 亨 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40409610)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 海洋無酸素事変 / 白亜紀 / 蝦夷層群 / 風化作用 / 風化仮説 / 後背地風化度 / 後背地風化作用 |
研究開始時の研究の概要 |
白亜紀に発生した海洋無酸素化事変(OAEs)は、温室期における地球システムを理解する上で、重要な研究対象となる。本研究計画では、OAEsの発動要因として注目を集めつつある“風化仮説”の実態と影響を検証する。手法としては、OAEs層準で採取した泥岩試料を、申請者が開発した地球化学的な“後背地風化指標であるW値”を用いて、OAEsと後背地の風化度の関係を吟味する。予察的な分析では、OAE層準における大陸地殻の風化度増大を検知した。太平洋地域においては、OAEsの“風化仮説”を検証する初の試みになる。
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研究成果の概要 |
白亜紀に発生した海洋無酸素化事変(OAEs)は,温室期における地球システムを理解する上で,重要な研究対象であり,本研究では,OAEsの発動要因として注目されている“風化仮説”の実態と影響を検証した.その結果,極度の温暖化が進行した時期に,海洋無酸素化が引き起こされたことが知られているが,この現象には大陸地殻の風化作用の増大が深く関与していることが明らかになった.特に,今回の結果は,閉鎖的な地域の研究事例ではなく,大海洋である太平洋沿岸で検知されたので,温暖化に伴う汎世界的な気候変動応答であることが示唆される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球温暖化は様々な社会的・環境的・生態的な影響を及ぼすことが知られている.温暖化の影響としてあまり注目されていない応答として,大陸地殻の風化作用増大があげられる.風化作用の増大は海洋に流出する栄養塩を増加させる効果があり,これが一次生産性の増大と海洋中の溶存酸素の欠乏を招くことになる.この結果,海洋環境と生態系の悪化を招くことになるが,本研究ではこのシナリオが過去の地球温暖期に発動したことを明らかにした.したがって,本研究は温暖化が進行している近未来に発動し得るもう一つの環境摂動の警鐘となる.
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