研究課題/領域番号 |
21K03736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄太郎 静岡大学, 理学部, 准教授 (50345807)
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研究分担者 |
生田 領野 静岡大学, 理学部, 准教授 (60377984)
椎野 勇太 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60635134)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 三葉虫 / 複眼視覚 / 視野範囲 / 形態視 / 動体視 / 複眼 / 進化形態学 / 形態解析 |
研究開始時の研究の概要 |
三葉虫類は初期古生代に高い種多様性を達成した象徴的な絶滅節足動物であり,化石として保存される複眼にも著しい適応放散を反映した形状の多様化が認められる.どのような視覚特性の多様化が起きていたのだろうか,この進化生物学的な疑問に答えるべく,骨格形態の概形,そして複眼の形状や体サイズ比が著しく異なる検討対象種で種特異的な視覚特性の成熟プロセスを解明する.これらの結果によって得られる複眼形状 -形成プロセス-視覚特性の関係を踏まえて三葉虫類の視覚特性の進化多様性を読み解いてゆく.
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研究実績の概要 |
初期古生代に高い種多様化を達成した絶滅節足動物・三葉虫類において,複眼視覚特性の観点から多様化の生体生理的な理由を見出すことを目的としている. 古生態的に大きく異なる四種を選定し,これらの化石複眼について,高精度のマイクロ形態解析と数理解析によって,視野特性を表す構造的特徴を解析している. 解析手法については,複眼の表面形状をスプライン関数によって近似する手法を導入し,検討対象のオルドビス紀三葉虫の4種について解析が完了した. 視力(コントラスト感度)の尺度となる空間周波数(CPD)は,最大値で示すと遠洋遊泳性種P. galicaでは0.4,礁生の底性種E. laticaudaでは0.37,礁生の底性定住性種 S.oviformisで0.4となり,一方で外側陸棚~陸棚外縁・外側縁海生で軟泥底生のN. armadilloでは0.67と予想外に高いCPD値であった.個眼数と平均個眼直径の関係は,P. galicaでは2000強:およそ140μm,E. laticaudaでは6000弱:およそ100μm,S.oviformisでは3000前後:およそ50μm弱であり,三種の行動生態の異質性は,感度(受光能力)に強く関係すると捉えられる.一方で,より深く太陽からの入射光が期待できない生息環境のN. armadilloは5000弱:70μm弱と特異な関係性であることが明らかとなった. 三葉虫複眼の脱皮成長様式をふまえると,動物体の上側方の方角に相当する複眼上の位置で個眼サイズが最も大きくなる一般傾向となる.この複眼上の位置で視野面の曲率が低くなると,比較的明るく,さらに比較的精彩に外界を捉えることとなり,この傾向はN. armadillo以外で認められた. 三葉虫の適応放散において,構造的な制約下で種固有の視覚特性となる種にくわえて,N. armadilloのように構造的な制約を改変した視覚特性となる種も派生したことが,タクソンとしての繁栄につながったことを強く示唆する.
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