研究課題/領域番号 |
21K03846
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
後藤 真宏 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, 主席研究員 (00343872)
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研究分担者 |
佐々木 道子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 統合型材料開発・情報基盤部門, NIMS特別研究員 (50415171)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オペランド解析 / 摩擦 / コーティング / 光照射 / 結晶配向性 / 電子励起 / トライボロジー / スパッタリング / 界面ダイナミクス / 光オペランド |
研究開始時の研究の概要 |
トライボロジー技術向上による摩擦損失の削減は、温暖化ガス排出量抑制の重要手段として期待できる。摩擦力発生要因は、二つの材料間の分子間力である。我々は、原子、ナノスケールにおいて、光照射による分子間力の変化で、摩擦力を制御可能であることを発見した。真空中では、光照射の有無により、瞬時に可逆的に摩擦力が変化し、一方、液中では光照射による摩擦力変化は、長時間保持されることを見出した。 本研究では、光の波長・強度を変化させながら摩擦現象を解析する「光オペランド摩擦解析」手法を提案・導入し、光による材料表面電子励起・化学反応と摩擦係数の相関を系統的に実験検証し、光による摩擦ダイナミクスの学理構築を目指す。
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研究成果の概要 |
「光によりマクロレベルの摩擦を変化させられるのか?」という課題に取り組むべく、光オペランド摩擦解析手法を新たに提案、装置を構築し、研究を実施した。その結果、金属酸化物トライボコーティングの摩擦係数は、光の照射によりマクロな摩擦領域においても変化することが明らかとなった。また、その摩擦係数変化は、光波長依存性があることも突き止めた。その要因は、コーティングの光吸収による表面電子励起の影響、表面の化学反応によるもの、吸着水の影響であることが明らかとなった。3種類の異なるコーティングにて実証実験を行ったが、それらの摩擦係数の光波長依存性は、サンプル独自の特徴を有することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、摺動部に波長選択光を直接集光照射し、マクロレベルの摩擦係数の変化を大気・真空環境下で測定した例は、世界的に見て我々の知る限り無い。ナノレベルでは光のON-OFFで摩擦力が瞬時に可逆的に変化することは既に突き止めていた。本研究により、マクロレベルでも摩擦力が光照射により変化すること、また、光波長依存性があることを明らかにした。今後、表面電子励起状態の摩擦現象の研究などが進むことで、本現象の深い理解につながるであろう。当該手法で摩擦係数を大きく変化させられる光波長を決定し、それを発振するレーザー光などの照射により、将来、人為的に駆動部の摩擦力を制御することが可能となるかもしれない。
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