研究課題/領域番号 |
21K03914
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
榎木 光治 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40719407)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 多孔質 / 焼結 / 伝熱 / 熱交換器 / 廃熱 / 排熱 / 廃熱回収 / 多孔質体 / 伝熱管 / 金属繊維 / 単相熱伝達 / 熱伝達向上 / カーボンニュートラル / CFD解析 / 排熱利用 / 高効率 / 数値シミュレーション / 金属 / 摩擦圧力損失 / シミュレーション / 熱伝達 / エネルギー / 排熱回収 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,伝熱管の内部に充填させた金属繊維で構成される多孔体部からなる熱交換器を用いる.伝熱管と多孔体部は熱伝導率のよい同一素材のAlを用いることで軽量化を実現し,かつこれらは焼結結合されているため接触熱抵抗が極小化され,伝熱管から伝わる熱をほぼ損失無く多孔体部に伝えることが可能な特徴がある.既に実験的研究から,管内を流れる乾燥空気の熱伝達率は,相変化熱伝達率と同等レベルになることを明らかにしている. 一方,この多孔質体の空隙率や骨格径等パラメータを変化させた場合において,熱伝達を予測することは現時点で不可能である.このため,物理メカニズムに基づいた伝熱予測式を構築することが研究の目的である.
|
研究成果の概要 |
金属繊維でできた多孔質を伝熱管に焼結結合させたものは,乾燥空気を用いた実験において,熱伝達率がおよそ1000倍向上する.多孔質体の空隙率は80%程度,管内径は20mm程度,充填長さは25mmである.伝熱管の乾燥空気入口温度を315℃とし,管外を15℃で冷媒を用いて沸騰冷却すると,乾燥空気は15℃まで冷却され,温度差300℃を充填長さ25mmで達成する.実験的研究では,多孔質体内の空気の温度や流速分布の測定は困難であるが,数値シミュレーションによりこれを再現することに成功した.これにより,実験では得られない情報を基に,伝熱メカニズムのおおよその解明に成功した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
空気など密度の低い流体の熱伝達率は,密度の高い液体などの流体と比較すると劣る.そのため,現在使用されずに捨てられている工場廃熱などの300℃以下の熱エネルギーは,大規模な熱交換器を使用しなければ有効利用できないという社会的な問題がある.この問題を科学技術で解決することは,脱炭素社会を構築する上で非常に意義のある研究である. 今回の研究成果は,これまでコストパフォーマンスの面から捨てられていた熱エネルギーを省スペースで回収する可能性を示した.また,粘度の低い液体でも同様の効果が確認されていることから,廃熱回収だけでなく,高効率な熱交換器としても利用できると考えられる.
|