研究課題/領域番号 |
21K03993
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
梅村 敦史 北見工業大学, 工学部, 准教授 (90453795)
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研究分担者 |
高橋 理音 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60301975)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 風力発電 / LMI制御 / 系統連系 / パワーエレクトロニクス / 仮想同期発電機制御 / 線形行列不等式制御 / 系統連系インバータ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、風力発電などの再生可能エネルギーのための系統連系インバータが増加している。系統連系インバータには慣性や同期化力などがないため系統の安定性に悪影響を与える場合がある。そのために、系統連系インバータに仮想的に同期発電機の特性を与えて系統を安定にする研究が進んでいる。 複数の制約を線形不等式(LMI)問題で記述し、これを解いてえられた最適状態フィードバックゲインよる制御器は、系統連系インバータの安定性と入出力制限などの制約を同時に満たすことが期待できる。 本研究では風力発電などの系統連系インバータの仮想発電機制御のためにLMI制御による離散時間モデル追従制御の設計方法について提案する。
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研究実績の概要 |
従来、電力系統では多数の同期発電機を備えているため同期発電機の持つ慣性、同期化力が系統の安定性に寄与してきた。風力発電などの再生可能エネルギー発電は二酸化炭素排出抑制、エネルギーの地政学的リスクの低減のために、今後、導入が拡大していくと見込まれている。しかしながら、再生可能エネルギー発電の多くは変換器を介して系統と連系している。変換器は基本的に慣性などを持たないため、再生可能エネルギー電源の導入が拡大していくと系統全体の安定性が低下することが懸念される。この対策として近年、変換器に仮想的に同期発電機の特性を模擬する仮想同期発電機制御の研究開発が進められている。 仮想同期発電機制御の調査研究によると、2008年代に欧州4か国からなる研究グループによって仮想同期発電機制御を用いた蓄電池を系統に導入した実証試験が行われた。現在のVSG研究開発は、VSGの信頼性が高く効果的なモデリングが重要となっている。また、複数のVSGを備えた系統全体の安定性、VSGの標準化インターフェイスも今後の課題である VSGの信頼性において、系統に導入した場合の事故発生時における保護機能の実装と検証が課題となることがわかっている。仮想同期発電機制御では同期発電機モデルは仮想的に与えられているので事故時に同期インピーダンスを変えることが有効であること、過電流抑制にはPI制御器による電流制御では過渡的な応答に限界があることがわかった。 本研究では、風力発電機などの連系インバータの仮想同期発電機制御のためにLMI制御による離散時間モデル追従制御の設計方法について提案する。これは電圧電流制御にモデル追従の機能とともに電流電圧制御の制限を組み込むことが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実証実験において、近年の半導体調達の遅れから実験装置の導入が年度末となった。そのため、実験の準備、実施が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は従来の電流制御によるLMI制御だけでなく、事故時に電流制御から電圧制御にきりかえることによって過電流をおさえること、系統安定化の改善が同時に期待できる。これにLMI制御の適用も検討する。 回転座標軸上での非干渉化を考慮したLMI制御方式を検討する。
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