研究課題/領域番号 |
21K04083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
平間 淳司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40181185)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 植物工場 / ワサビ水耕栽培 / 生体電位 / 環境制御 / 生長促進 / 成長促進 |
研究開始時の研究の概要 |
植物工場野菜は一般の露地栽培に比べて設備投資やランニングコストが高く採算性の低さが問題視されている。植物の至適生育要素技術は栽培現場において、生理学的側面からはほぼ確立しているが、電気生理・工学的側面からの検討は遅れている。特に本研究のように、根菜類のわさびの人工栽培は葉物類に比べ難しいが、いち早くIoTやICT技術を導入し小規模型植物工場での水耕栽培試験を実施してきた。わさびの生長の活性化と関係がある生体電位信号を計測し、その電位変動を指標とすることで、至適生育条件に関して工学的側面から検討する。「わさびの気持ちを生体電位」から知ることで生育環境制御により高効率栽培技術を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究は完全閉鎖系の水耕栽培を用いた小規模ワサビ工場において、ワサビ葉の葉面電位計測データに連動したSPA型の生育環境制御方式を導入した至適栽培制御パラメータの確立である。申請者の試験運用中の小規模わさび工場において、外的刺激環境に対する電位応答特性から「わさびの気持ちを知り」、「これが欲しい・要らない」の環境状態も常時推定して、生育速度向上を目指している。予備的な基礎データはあるが解析に必要なビッグデータは、本研究では未だに不足しているので継続実験を実施している。今後も栽培システムをわさび生育環境に特化し、主として葉面電位データも含めた生育環境制御パラメータの最終決定を実施して、今後の植物工場の実用化に向ける。また、光合成活性度診断技術であるクロロフィル蛍光計測も同時実施しているが、わさびに適用した例がないが「健康診断」には十分見込まれる。併せて芋の成分分析結果も統合して、わさびの機能性増強に役立つ栽培環境制御のプロファイルデータの閾値決定も目指している。なお、当該年度では機能性成分分析の実施に関して、栽培期間の一時期において、環境パラメータの設定の不具合により、一部の栽培ワサビの生育不良が発生したことから、芋に含まれるビタミンや薬効成分(アリルイソチオシアネートなど)等の評価などの実施はできなかった。しかしながら、芋の食感や味覚に関して官能試験を実施したところ、特記すべきことがらは発生しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ、実施計画書通りに進行している。 しかし、研究実績概要で述べたように、生育した芋の発達に一部不具合が発生して成分分析のみ実施ができかった以外は概ね予定通りであり、特記すべき事項はなし。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画調書に基づいた研究を実施する予定である。なお、令和5年度は最終年度であるが、ワサビ工場の中規模わさび栽培の実証試験をある企業と共同研究を新規にスターする予定である。これまでは20株程度の小規模ワサビ工場では、ほぼ本研究目的の達成は十分見込まれる。このことから、今後実用化に向けた中規模実証試験により栽培株数を約300として、完全閉鎖系の大型コンテナ栽培を新規に実施する予定である。この時の至適栽培環境パラメータは、これまでに小規模ワサビ工場で得てきた環境パラメータや葉面電位データやクロロフィル蛍光特性等の基礎資料を踏襲しての実証試験を目指している。
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