研究課題/領域番号 |
21K04144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
廣芝 伸哉 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (40635190)
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研究分担者 |
熊代 良太郎 東北大学, 材料科学高等研究所, 特任准教授 (00396417)
良知 健 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 機械・材料技術部, 主任研究員 (70521037)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 有機薄膜成長 / ナノ構造制御 / ナノワイヤ / チエノチオフェン / グラフォエピタキシ / 薄膜成長 / GIXD / MDシミュレーション / 有機グラフォエピタキシ / 有機半導体 / リソグラフィ技術 / 有機半導体ナノワイヤ / 有機トランジスタ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、サイズ制御性を有した有機半導体ナノワイヤ(NW)の基板上に配列構造を可能とする作製技術を確立する。p型、n型、HOMO-LUMO準位の異なる多種多様な分子系に対し、有機半導体NWの基板温度,蒸着速度など各種作製パラメータの違いによる形成過程を比較する。実験結果と理論モデルの比較を行い有機半導体NWの成長過程と制御指針を明らかにする。 また、作製した基板上に配列した有機半導体NWの両端に金属電極を形成し電界効果トランジスタ(FET)構造の作製を行い、そのFETデバイス特性および分光特性など各種物性評価を実施し、有機半導体NWデバイス作製技術の基礎技術を確立する。
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研究実績の概要 |
2023年度は前年度,真空蒸着装置を使用し酸化膜付きシリコン(SiO2/Si)基板上にジナフトチエノチオフェン(DNTT)の分子薄膜を原子間力顕微鏡(AFM)観測, out-of-plane x-ray diffractin(XRD)およびIn-plane XRD解析により,各種蒸着条件での表面モルフォロジ,分子の配向,結晶構造 SiO2/Si基板上に電子線(EB)描画による500, 250および100nm幅のラインアンドスペース(L&S)パターンを描画し,反応性イオンエッチング(RIE)により凹凸形状L&Sパターンを形成した.このL&Sパターン上にDNTTの分子薄膜を成膜し,表面モルフォロジを観察した結果,期待していた異方的なナノワイヤ成長は観測できなかったが,有機グラフォエピタキシに特徴的な表面モルフォロジ形状がみられた. これらの結果を踏まえ,当初考えていた有機半導体分子とDNTT分子とでは,特に低速蒸着領域において挙動が異なることを見出した.ナノサイズの領域におけるDNTT20分子の分子動力学による計算(MDシミュレーション)を実行し,初期配向や核生成に関する実験事実を,計算によって考察する手法も確立し,これらの成果は査読論文Physica State Solidi(a)に掲載され,insideカバーピクチャーにも採用された.また応用物理学会,電気学会電子材料研究会等での報告を行った.加えて,SiO2と異なる環境でのDNTTやチエノチオフェン系の薄膜成長が非常に興味深い系であることを見出し,本研究を元に絶縁膜として強誘電体Hf0.5Zr0.5O2上での有機薄膜成長の実験を開始し,当初ナノワイヤで実現しようとしていた有機メモリFETなどの機能性をもつデバイス開発につながる成果を得た.
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