研究課題/領域番号 |
21K04181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
田中 愼一 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00556243)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | マイクロ波 / 電力増幅器 / 左手系メタマテリアル / 電力効率 / 高調波処理 / マイクロ波増幅器 / 逆E級増幅器 / CRLH線路 / 増幅器 / 右手/左手系複合線路 / 右手系左手系複合線路 / F級 |
研究開始時の研究の概要 |
アンテナから遠方に電波を送出するために必要な電力増幅器は、無線システムの高速化が進むにつれて消費電力が増大する傾向にあり、常にその対策が課題となっている。増幅器の電力効率を改善する手法としては高調波処理回路の導入が有望だが、高密度に実装された今日の増幅器には新たな回路を組み込むスペースがないのが現状である。そこで本研究課題では、自然界には存在しない左手系電磁波を回路内に作り出す右手/左手系複合(CRLH)線路を用いて高調波処理回路の超小型化を目指す。これまでもCRLH線路を回路の一部に適用する報告はあったが、1本のCRLH線路のみを用いて超小型の回路を実現する新しい設計原理を明らかにする。
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研究成果の概要 |
携帯電話基地局の電波を増幅する電力増幅器(PA)には,今後,一層の高効率化と広帯域化が求められる。しかし,既に高密度に実装された回路に新たな機能向上の回路を追加するのは困難であった。本研究では,そのような課題を解決するため,非常に小さな回路サイズでPAの高効率化と広帯域化を実現できる右手左手系複合(CRLH)線路を用いる新しいPAを提案した。この技術をGaN HEMT PAに適用した結果, 世界最高水準の電力効率を実現したほか,近年注目される連続F級増幅器の回路面積を従来よりも一桁小さくすることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
携帯電話の無線技術は,現代社会の情報通信ネットワークの中核技術のひとつに位置付けられる。本研究の提案内容は,従来の携帯電話基地局の増幅器のサイズを増やすことなく,高効率化と広帯域化を実現することに貢献するため,従来装置との互換性を保ちながら性能向上を図れる利点がある。自然界に存在しない左手系電磁波の性質を用いるCRLH線路は従来も研究されてきたが,本研究の設計手法は独自の理論に基づいており,他者の追随を許さないものである。従って,本研究で得られた成果は学術的にも意義深いものである。
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