研究課題/領域番号 |
21K04250
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
河村 隆 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (50324231)
|
研究分担者 |
梅崎 健夫 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (50193933)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 地盤工学 / 土砂災害 / 排水材 / 不織布 / 不均一性 / 透水係数 / 間隙比 / クリープ |
研究開始時の研究の概要 |
豪雨時の土砂災害を防止するために,盛土内には不織布が水平排水材として敷設される.不織布は空隙が多いために圧縮性が非常に大きく,拘束圧を受け続けると圧縮クリープが発生し,時間経過とともに間隙比が減少する. 本研究では,不織布に対して,①初期状態の測定,②圧縮クリープ試験((a)常温長期,(b)高温促進)および③透水試験((a)面内,(b)垂直方向)を実施し,拘束圧下における透水係数の長期予測式の提案を目指す.得られた結果は,盛土内に浸透する雨水の浸透解析に用いるパラメーター,適切な敷設間隔や配置を決定する設計法の確立や局所的な浸透破壊の対策に必要なものであり,土砂災害防止に繋がる.
|
研究実績の概要 |
最終年度に実施した研究の成果 ①(a)1~2カ月程度の圧縮クリープ特性の定量評価,(b)高温条件における長期圧縮クリープ特性の定量評価:当初計画では,高温条件における長期圧縮クリープ試験を実施する予定であったが,乾燥状態の不織布では供試体内の温度分布を均一に保つことが困難であることが判明した.そのため,本研究期間内での高温促進試験は行わないこととした.その代替として,盛土内における不織布の水分状態を考慮して,飽和状態における不織布の初期厚さの測定および24時間段階載荷圧縮試験を実施した.①乾燥・飽和状態における不織布の初期厚さはほぼ同じである.②乾燥・飽和状態ともに,圧縮に伴う間隙比の平均値と標準偏差の変化はほぼ同じである.③乾燥・飽和状態の不織布(1×3m)に対して,圧縮過程における透水係数を決定する間隙比の変化とその分布を決定し,可視化を行った. 研究期間全体を通じて実施した研究の成果 (1)不織布の初期条件の不均一性の定量評価:不織布のロールから切り出した供試体1200枚の不均一性を平均値と標準偏差で評価した.(2)不織布の圧縮特性の定量評価:①不織布の長期圧縮クリープ特性は,24時間までを一次圧縮(盛土の施工に伴う即時圧縮),24時間以降を二次圧縮(施工後の長期圧縮)として評価できる.②24時間段階載荷圧縮試験において,乾燥と飽和状態の圧縮特性はほぼ同じである.③圧縮過程における間隙比の変化とその分布を視覚的に示した.(3)面内方向・垂直方向透水係数kh,kvの定量評価:不織布の初期状態の不均一性によらず,不織布の透水係数は間隙比または間隙率によって決定できる.②一例として,乾燥状態の不織布の圧縮過程における垂直方向透水係数の変化とその分布を決定し,可視化を行った.③飽和状態や面内方向透水係数についても同様の手法によって決定し,可視化できることが示唆される.
|