研究課題/領域番号 |
21K04280
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
|
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
青木 宗之 東洋大学, 理工学部, 准教授 (00712853)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 水路式魚道 / 急勾配 / 粗度群 / 簡易魚道 / 可搬魚道 / 遡上 / ウグイ / 遡上率 / 遊泳行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,急勾配である水路式魚道においても,魚類が遡上できるような流れをつくり出すことである.これまで,魚ののぼりやすい川づくりの手引きでは,水路式魚道の縦断勾配を1/20以下にすることが推奨されている.一方,魚道延長が十分に確保できない箇所,特に中小河川では,その条件を満たすことが困難なときもある.実際に,縦断勾配が1/20よりも急な水路式魚道も存在しているため,急勾配な水路式魚道での検討も重要である.そこで本研究では,主として水理実験と実魚を用いた挙動実験を実施し,縦断勾配が急な水路式魚道でも魚類が遡上できるような手段を見出し,魚類等にとって効率的な魚道を計画することを目指す.
|
研究成果の概要 |
本研究は,急勾配な水路式魚道を作製・水路落差部に設置し,室内実験および現地実験を行った.ここで,現地水路幅150 cmに対し,実験室水路は100 cmであるため,単位幅流量を一致させて実験を行った.一方,魚道幅は24 cmで同一のため,魚道内流量は同一とした.その結果,水路式魚道の推奨勾配1/20よりも急な1/7の勾配であっても,水路式魚道内の粗度要素を工夫することで,魚道内の水深が確保でき,流速を低減させることができ,魚道内は多様な流速が形成された.そのため,実魚が無理なく遡上し,落差部の上流側へと移動することが可能となった.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「魚ののぼりやすい川づくりの手引き」では,水路式魚道の縦断勾配を1/20以下にすることが推奨されている.一方,これは魚道延長が長くなりやすくなる特徴を示している.しかしながら,魚道延長が十分に確保できない箇所もあり,特に中小河川では,条件を満たすことが困難なときもある.本研究では,その推奨勾配より急な状況でも,魚類が遡上できるような水路式魚道内の粗度要素に工夫を施した.その結果,1/7の勾配であっても,魚類が無理なく遡上できることを示した.このことは,特に中小河川や小規模水路の落差部に魚道を設置する際に,非常に役立つ知見であるといえる.
|