研究課題/領域番号 |
21K04335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
崎原 康平 琉球大学, 工学部, 准教授 (20647242)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 塩害 / 飛来塩分 / 機械学習 / 風況 / 波浪 / MSMデータ / 環境作用 / 数値シミュレーション / 耐久設計 / 維持管理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,AIと数値シミュレーションを組み合わせた塩害環境評価システムを開発するとともに,複数地域の飛来塩分データの収集および既往研究結果と比較検討することで,開発するシステムを実用化レベルまで引き上げることを目的としている。さらに,誰でも容易に操作でき,塩害環境区分を可視化できるアプリケーションを併せて開発することで,鉄筋コンクリート構造物の塩害に対する施工・維持管理法を確立するための一助とする。
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研究実績の概要 |
本年度では,観測された飛来塩分データと各種環境情報(風況や波浪等)から機械学習を用いて2ケースの飛来塩分予測を行った。1つは沖縄県国頭村辺野喜暴露場で長期観測された飛来塩分データを使用した予測(以後,辺野喜試験と称す),もう1つは全国で観測された飛来塩分データを使用した予測(以後,全国試験と称す)である。また,Web上で公開されている環境情報データの中で,気象観測所より観測点の密度が高いメソ数値予報モデルを使用した環境データ(以後,MSMデータと称す)による予測を行い,本提案手法の有効性について検討を行った。 その結果,ベイズ最適化によるハイパーパラメータチューニングを行ったRandom Forestを飛来塩分予測に適用することで,辺野喜試験,全国試験ともに計算時間が短くかつ汎化性能の良い結果を得ることができた。また,MSMデータを使用することにより,飛来塩分を観測したい地点から最寄りの気象観測所が遠い場合においても,観測地点の風況データを取得することができる。またそのデータを機械学習の学習データとして用いることで,飛来塩分の予測精度向上を図ることができた。さらに,特徴量の重要度を検討することにより,本研究において最も予測に影響を与えている環境データは,有義波高であることが明らかとなった。 上記の研究成果は,コンクリート工学年次論文集やコンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集等の査読付論文として掲載された。また,国際会議である15th World Congress on Computational Mechanics (WCCM) や,国内では日本建築学会全国大会および九州支部研究発表会等で研究発表を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械学習による飛来塩分予測については,地域毎の環境作用を考慮した定量的な検討・予測を実施することができた。しかしながら,本検討範囲はその地域に飛来する塩分の予測であり,いわゆる「マクロな領域における飛来塩分予測」であるが,近年では,各部材における腐食環境が異なることが指摘されていることから,今後は各部材毎に異なる環境作用を考慮した飛来塩分予測に着手する予定である。また,機械学習だけでないく数値シミュレーションを援用した飛来塩分予測手法の開発も行う。本研究課題の進捗状況については,本年度までに得られた研究成果を取り纏めるとともに,査読付き論文集を2編投稿し,掲載されたことから,概ね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
鉄筋コンクリート構造物において,各部材に付着する塩分は,気象条件や周辺環境,さらに構造物の形状・寸法や位置等により,部材毎に異なることが知られている。また,2022 年 11 月に改定された建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリート工事 2022では,部材毎に劣化環境区分が定められていることから,部材毎に環境外力や劣化速度を詳細かつ定量的に把握する重要性は,今後さらに高まることが考えられる。 以上の背景より,昨年度は柱や梁および庇から構成されている単純な鉄筋コンクリート構造物を対象に,自作の薄板モルタル供試体(以後,供試体と略す)を用いて各部材の付着塩分に関する検討を行っている。その結果,季節毎に異なる風況(風向,風速) や周辺環境,さらに部材の寸法・位置が各部材毎に付着する塩分に与える影響について機械学習も援用しながら検討している。 一方,各部材の付着塩分を数値解析的に把握する研 究も数多く行われている。しかし,数値解析的な研究については,そのほとんどが土木構造物を対象としており,鉄筋コンクリート構造物における各部材に付着する塩分に関する検討は数少ないのが現状である。 そこで次年度では,沿岸域にある鉄筋コンクリート構造物(以後,構造物と称す)における各部材に付着塩分を,供試体を用いて測定する。さらに,風況や周辺 環境,部材の形状・寸法・配置等が各部材の付着塩分に与える影響を把握するために,構造物周辺の風況解析を行う。さらに,得られた風速場を用いて飛来塩分粒子を模擬した粒子拡散解析を実施し,雨掛りも考慮した各部材に付着する塩分の検討を行う予定である。
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