研究課題/領域番号 |
21K04366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小松 喜美 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (90422162)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 凍結抑制 / 積雪 / 屋根 / 寒冷地 / 豪雪地域 |
研究開始時の研究の概要 |
安価で施工性が良いなどの理由から,多くの大型施設の屋根材には鋼板を台形状に折り曲げた折板屋根が採用されている.しかし冬期間の雪国において,折板屋根は軒先部分に大きな氷柱を発生させるため,様々なコストを費やして氷柱落下による被害を防止している.研究代表者はこれまでの研究により,建物の暖房熱により生じた融雪水の挙動が氷柱形成に大きな影響を与えていることを明らかにし,熱エネルギーや人的作業に頼ることなく氷柱の成長を抑制することができると思われる手法を考案した.本研究は,考案した手法の有効性を検討できるようなモデル実験を行い,考案した手法の有効性および氷柱抑制効果を定量的に評価するものである.
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研究実績の概要 |
安価で施工性が良いなどの理由から,多くの大型施設の屋根材には鋼板を台形状に折り曲げた折板屋根が採用されているが,冬期間の雪国において,折板屋根は軒先部分に大きな氷柱を発生させるため,様々なコストを費やして氷柱落下による被害を防止している.本研究では,氷柱の形成現象を再現できるような実験装置を開発したのち,融雪水の挙動および氷柱の形成メカニズムを解明し,そのメカニズムから氷柱形成を抑制する方法を提案すること,また雪層の融解現象・多孔質層(雪層)の水分移動現象・凍結現象などの様々な現象が同時に起こっている本研究対象の学術的な端緒を明らかにすることを目的としている. 1年目は,折半屋根の積雪へ連続して融雪水を供給することができる実験装置を開発し,融雪水の挙動および氷柱の形成メカニズムを解明することを目標に研究した.本研究の事前検討で行っていた予備的な実験では,折板屋根先端に発生した氷柱は,実環境下にある折板屋根先端に生じた氷柱と異なる形状であったが,本研究によって実験装置を改良した結果,実験室内のモデル実験において折板屋根先端に発生した氷柱は,実環境下での氷柱形状と類似していることが分かった.また,その氷柱形成過程や雪層内を浸潤する融雪水の観察結果から,折板屋根先端での凍結を抑制することができる方法の提案への糸口を掴むことができた.今後は,雪層内に浸潤している水量が測定できるように実験装置をさらに改良した後,凍結抑制方法を適用した折板屋根を製作して,その性能評価する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始から1年半で融雪水の挙動および氷柱の形成メカニズムを解明する実験装置の開発を目標にしており,1年経過した時点で実験装置は,一部の改良すべき点を除いて完成した.また,改良点のある実験装置での実験結果だが,融雪水の挙動および氷柱の形成メカニズムをおおまかに解明できつつある.
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今後の研究の推進方策 |
雪層内に浸潤している水量を測定することで,雪層内の凍結メカニズムがより詳細に分かるため,実験装置を改良する.その後,凍結抑制方法を適用した折板屋根を製作して,その性能評価する.さらに,現状の折板屋根と凍結抑制方法を適用した折板屋根の凍結現象を様々なパラメータに対して系統的に実験することで,雪層の融解現象・多孔質層(雪層)の水分移動現象・凍結現象などの様々な現象が同時に起こっている本研究対象の学術的な端緒を明らかにする.
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