研究課題/領域番号 |
21K04377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
堀 賢 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (80348937)
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研究分担者 |
田邉 新一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30188362)
尾方 壮行 東京都立大学, 都市環境学部, 助教 (90778002)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | エアロゾル感染 / 中性能フィルター / 換気 / ビル管理法 / 空気清浄機 / 水平伝播 / 数理モデル / リスク評価 |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19の感染伝播に寄与したと推定されるエアロゾルの動態解析を基に、4感染経路(空気・エアロゾル・飛沫・接触感染経路)について水平伝播数理モデルの構築を行い、新規に感染症が発生するリスクを予想するシステムを開発する。また、モデルで予測された数値を、実際のクラスター事例の解析や実存の既存建築における測定結果と比較し補正を行うことで予測精度の向上を行う。最終的には、抽出された実存建築における問題点に対し、リスクに応じた対策方法を示す感染対策マトリクスを作成する。
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研究実績の概要 |
R4年度は、エアロゾルを効果的に換気する条件を国内外の文献およびガイドラインなどの勧告、厚労省発行の見解などを統合しまとめた。感染性に寄与するエアロゾルの大きさは今以て同定されていないものの、飛沫核より大きく、飛沫より小さいレンジの液滴がエアロゾル感染の媒体として関与していることは濃厚であることがわかってきた。このレンジであれば、中性能フィルターで十分捕集できることも明らかになった。このため、世界保健機構(WHO)、米国疾病予防センター(CDC)のscientific briefing/statement、および日本医療福祉設備協会発行の「病院設備設計ガイドライン(空調設備編)HEAS-02-2022」、および建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称、ビル管法)を参考に、クラスターを起こしにくい換気条件を「毎時1人当たり30立方メートルの換気量を目安」とし、代替法として「CO2濃度が1,000ppmを超えないこと」あるいは「不足する換気相当分を補う程度の風量をもつ中性能フィルターをもつ空気清浄機を設置する」ことと定義した。 この目安を、開発中の感染リスク評価ツールのエアロゾル感染防止対策の一つに位置付け、これを満たした場合を5段階評価(1~5点)の3点に据えた。全く対応をしていない場合は1点とし、同様の対策を採用しているが、基準を満たさない場合を2点とした。5点は個室化やコンパートメント化をして物理的にエアロゾルに接触しない場合としたが、4点については「該当なし」とした。 R5年度は、この感染リスク評価ツールを用いて種々の医療施設、オフィス、工場などの一般施設を評価していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染病変として推定された気管支の太さをもとに感染に寄与したと推定される感染性粒子を特定することについては、他者の先行研究でも明らかにされていないまま、換気についての推奨が普及することになり、これまでも一定の予防効果を上げている。また今後液滴の直径についてさらに絞り込んだとしても、対策方法としては変わらないので、本研究では感染に寄与すると推定される液滴のレンジ全体を制御対象として取り扱うことにし、これを効果的に除去する方法を模索することに変更した。このため、計画の変更を経て評価ツールの完成までに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
エアロゾルの動態については、R3年度に開発した数理モデルによるシミュレーションツールを用いてさらに解析をすすめ、空気が淀みやすい場所を同定するための方法を明らかにする。 また数理モデルによる予測値と、咳マシンを用いて実験的にエアロゾル生成を模擬した場合の実測値の乖離の有無について検討する予定である。 また、数理モデルによるエアロゾルの接触度合いについては数値化できるものの、感染濃度が明らかでないため、絶対的な安全域の同定は難しい。代替案として、これまで順天堂医院で発生したクラスターを題材にして、室内のエアロゾルの濃度分布、診断や発病に至るまでの接触時間などを検討し、リスクの相対的な比較方法を考案する予定である。
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