研究課題/領域番号 |
21K04415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大西 康伸 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (20381006)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | プレハブ / コミュニティ / 自動設計 / 最適化 / 震災 / 遺伝的アルゴリズム / 点群 / モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
災害により家屋が被災した際入居する建設型応急仮設住宅(以下、仮設住宅)は迅速な供用が望まれるが、災害発生から2ヶ月以上もの期間を要することも少なくない。また、災害救助法が定めた2年3ヶ月という期間を大幅に超え、仮設住宅への入居が長期間に及ぶことも珍しくない。 そこで本研究では、最新の情報技術を活用し、プレハブ仮設住宅の着工までに要する期間を短縮し、加えて仮設住宅団地内での住環境を向上させることを目指し、敷地調査や仮設住宅の配置計画および設計を自動化するとともに、計画・設計案の関係者間での協議や承認を支援する一連のシステムを開発する。
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研究実績の概要 |
BIM及び最新の情報技術を活用し、プレハブ応急仮設住宅(以下、仮設住宅)の着工までの期間を短縮し、加えて仮設住宅団地内での住環境を向上させる配置案を作成する、一連の自動設計システムを開発すること本研究の目的とする。 本研究の最終年度として、前年度に開発した住環境改善型設計システムを実用化するための改良及びその実践的評価を行った。 1)実用化のための改良:住環境を優先する前年度システムは、仕組み上住棟種類数が多くなりがちであり実用面で問題があった。そこで、一つ目の改良として以下の機能を実装した。プログラムが従来通り一旦配置し、その後、その案に採用された住棟種類のいくつかのみを用いて全体を配置し直した案を複数自動作成する。次に、その案の中から最も住戸数と住戸タイプ比率のバランス良いものを人が選択する。別の問題として、大規模な敷地の場合、駐車場や住居、その他施設の位置が敷地内で偏る問題があった。そこで、二つ目の改良として以下の機能を実装した。大きな敷地を手動でいくつかのブロックに分けると、それぞれに駐車場、住居、その他施設のまとまりが自動配置される。それにより、大規模な仮設住宅団地と良好な住環境という相反する要望に応えることができる。 2)実践的評価:2024年元旦に発生した能登半島地震において、プレ協へ協力するという体制の元、開発プログラムを用いて仮設住宅の配置方針案を作成した。2024年5月1日時点で、開発プログラムを用いて140を超える敷地への仮設住宅の配置方針案を作成した。これは能登半島地震での全配置方針案の約9割を占める。以上の実践的評価から、通常約2日(16時間)必要な配置方針案の作成が約2時間で完了することが明らかとなった。また、開発プログラムは十分に実用の域に達していることが示された。ただし、環境配慮型の仮設住宅は建設されておらず、その点での評価が今後の課題である。
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