研究課題/領域番号 |
21K04463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三谷 徹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20285240)
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研究分担者 |
加藤 顕 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (70543437)
加藤 友規 京都芸術大学, 芸術学部, 教授 (90852765)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 日本庭園 / 庭園植栽 / 情報 / 点群データ / 揺らぎ / 空間デザイン / 空間 / 庭園管理 / 形態 / レーザー測量 / 透かし剪定 / ゆらぎ / 動的 / 植栽 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、森林科学分野で獲得されている3D測量技術を応用し、日本庭園の植栽空間を空間形態言語として表記することで、その動態的で現象的な特質を明らかにするものである。 特徴1:文理融合型の研究員構成。これまで自然科学系研究者は、庭園空間のような文化的植栽空間を研究対象としてこなかった。本研究は、科学系先進研究者と伝統文化に造詣の深い研究者を結びつけデザイン研究とする。 特徴2:歴史的価値のある庭園を対象地とする。3Dレーザー測量を用いる先行研究では、調査の作業上、自然林や公園でのデータ取得と解析にとどまるが、本研究は、管理職人とともに非公開対象庭園に入りこみ、伝統的の職人技術を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本庭園の植栽がつくり出す空間特性を解明するものである。これまでは、日本庭園の動態的な特性を記述することができなかったが、本研究は、3次元点群データ解析を応用することにより、日本庭園空間を一連の揺らぎの複合体として記述した。(1)伝統的な剪定技術「透かし」が、庭園植栽空間全体として立体的な階層変化をつくり出していること、(2)この階層性が、庭園の特異点ごとに異なる景観特性をつくり出していること、(3)複層的な枝葉の重なりを表現する段彩レイヤーは10レイヤーの表現が最適表現であること、(4)微風による枝葉の動きは、庭園の中で揺らぎの空間分布として構成されていることの知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:本研究は、日本庭園の空間特性をその動態的な現象のあり方から解明するものであり、この視点は、建築学が扱う静的な空間形態研究と対極にある。しかし、ポスト近代以降の空間論はまさに空間や環境の動的特性の重要性に着眼する動きであり、日本庭園が持つ空間の揺らぎ現象を定量的に理解したことは、新しい空間デザイン研究の視点を導く基礎的な知見となる。 社会的意義:日本庭園の植栽が持つ繊細で揺らぎのある空間は、これまで伝統的な透かし剪定により実現されている。しかしこの技術はいまだ口伝による技術の継承に頼っており、本研究が解明した形態変化としての客観的知見は、技術の継承に合理的な裏付けを与えることになる。
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