研究課題/領域番号 |
21K04562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
楠川 隆博 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (70300720)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 化学兵器 / サリン / ソマン / メチルホスホン酸 / 蛍光発光 / 使用痕跡 / アミジン / グアニジン / 化学剤 / ホスホン酸認識 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、テロなどでの化学兵器(化学剤)の使用が増加しており、その対策が急務となっている。化学剤は容易に気化や分解が進行するため、成分の特定やその使用を裏付けるのが困難であり、犠牲者の治療開始に時間を要することなどが問題となっている。本研究では、蛍光発光センサーを応用することで、テロ現場で使用可能な有機リン系化学剤分解物の検出法の開発を行い、化学兵器の使用を迅速に検知することを目指す。
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研究成果の概要 |
サリン、ソマンなどの有機リン系化学剤は揮発性が高く、また空気中で加水分解して、メチルホスホン酸やその誘導体を生成するため、被災者の尿、血液などの体液中から化学剤を検出することは困難である。我々は、直接有機リン系化学剤を検出する代わりに、加水分解物であるメチルホスホン酸等を選択的に検出するセンサーを開発することで、有機リン系化学剤を間接的に検出する方法を考案した。これまで開発したセンサーでは塩酸などの無機酸にも応答して蛍光発光を示していたが、新たに合成したテトラフェニルエチレン骨格を有するジアミジンでは、無機酸には応答せず化学剤分解物(メチルホスホン酸)が検出できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サリン、ソマンなどの有機リン系化学剤は大型の分析機器での検出は可能であるが、電気が使用できない戦場等の被災現場ではポータブル分析機器や試験紙などによる発色(発光)分析法が必要となる。さらに、有機リン系化学剤の多くは揮発性が高く、また空気中で加水分解し、メチルホスホン酸やその誘導体を生成する。我々が開発したセンサーはメチルホスホン酸およびその誘導体を、携帯型ブラックライトを用いて検出可能である。そのため電気のない戦場やテロ現場においても有機リン系化学剤の使用を検知することが可能であり、被災者の迅速な治療が開始できる。
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