研究課題/領域番号 |
21K04619
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 弓削商船高等専門学校 |
研究代表者 |
伊藤 武志 弓削商船高等専門学校, 総合教育科, 教授 (10435472)
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研究分担者 |
森 耕太郎 弓削商船高等専門学校, 電子機械工学科, 助教 (00804519)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ロケットストーブ / 給湯システム / スターリングエンジン / 発電システム / 防災 / エネルギー / スターリングエンジン発電 / 温水器 / 減災 / 防災・減災 / 離島工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで研究者が作製検討したロケットストーブ―スターリングエンジン発電システムの耐久性・送電の安定性・冷却装置の改良とロケットストーブを利用した温水器システムの開発を行う。 この温水システムは、温水だけでなく過熱水蒸気の精製も検討し、蒸留水の確保や殺菌利用も目的とする。 また放置竹や漂着ゴミを島の産物でもある松かさと組み合わせることで、ロケットストーブでも使用できる新しい燃料を作製する。さらに、竹は炭化することで、簡易ろ過に利用し、上記蒸留の前処理を行う。 この研究は島の課題である「災害時におけるインフラの確保」・「廃棄物問題」・「島を活性化」を同時に解決する研究である。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、ロケットストーブとスターリングエンジンを組み合わせた移動式発電システムの開発と給湯システムの開発またその他災害時での利用方法の検討について研究を行った。 昨年度はスターリング発電機において、原因不明の動作停止が起こったため、エンジンを分解することで、その原因追及を行った。その結果、内部で大きな損傷等は見られなかったが、煤もしくは焼けて変色した油のようなものを確認することができた。部品洗浄後再び組み直し、動作確認を行ったところ、やはり同様に動作停止が起こっため、メーカーの方に修理および分析の依頼をしたところ、動作及び発電の確認はできたが、詳細な原因は分からなかった。また、500℃程度の加熱で発電動作は確認できたが、600℃まで温度が上がるとエンジンは再び停止した。これらの結果から過度な加熱による内部部品の膨張と,それによる摩擦だと予想された。 給湯システムは、熱交換機を、外径8.0mm、肉厚0.8mm、長さ7mの銅管で作製し、加熱部温度を約600℃の条件で行ったところ、水量1.5L/minで35℃の以上の湯、1.3L/minで80℃以上もしくは水蒸気の確認ができた。さらに、流速を1.3L/min以上で50℃の湯を得ることを目安として、熱交換器の銅管の長さや太さを変え検討を行った。外径12 mm長さ7 mでは、1.4L/min、外径12 mm長さ14 mでは2.5L/min、外径16 mm長さ14 mでは3.5L/minで50℃以上の湯を得ることができた。また、ロケットストーブの燃焼部の直径を広げ、熱交換器の加熱部を多くすることで、より多くの湯、水蒸気の獲得を確認できた。 さらに、ロケットストーブの上部に陶器で作製したタンドリーオーブンを設けることで、災害時に簡単に野菜等を調理できるアタッチメントの作製も行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
頻繁に起こるスターリングエンジン発電機の動作停止原因の詳細が分からず、メーカーへの問い合わせ・修理に時間がかかり、発電システムの構築に時間がかかっている。 また、これら解決方法として、独自で教材用としての小型スターリングエンジン発電機を作製しながら、行っている。
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今後の研究の推進方策 |
スターリングエンジン発電機において、今後、冷却部の改良だけではなく、ヒートライザー部やエンジン燃焼部の改良、内部空気を窒素等変更するなど、メーカーの方と相談して改善する予定である。また同時に、教育用小型スターリングエンジンを完成させる予定である。 給湯システムは、さらなる熱交換器の検討を行うと同時に、実際の災害を想定して、ポンプ等を利用した水の給水の検討や加熱前のろ過、さらに得たお湯の温度調節を行い、シャワーシステムの構築を行う。これは、圧力等を利用したポンプ、電池式のポンプなどなるべく外部電源を利用しない給水を目指す。また、ろ過も市販で売っているキットや竹炭等を利用したろ過など幅広い検討を行う。シャワーシステムは一度高温のお湯をタンクに貯め、水で温度調整を行い、電池式のシャワーポンプで作製する予定である。 また、水蒸気を用いた蒸留など、活用方法の検討を行う。さらに、煙が出ない燃料の開発や方法なども同時行い、より実際に災害を想定したシステムの構築を行う。
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